1.5W副長(第二部) 完結
□第19章 奪還 その壱
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「土方・・・!」
扉が閉まった瞬間に土方の体を抱きすくめた。
燃え上がる屯所の前で土方と再会したのは小1時間ほど前のこと。
追い縋る見回り組の隊士たちを蹴散らし、江戸の町中を抜けて辿り着いたのは一隻
の大きな船だった。
示された部屋に入り二人きりになった瞬間、我慢できなくなった。
「土方、土方、ひじかた・・・」
名を呟きながら背中に回した腕に力をこめれば、土方が安心させるように銀時の背を
優しく叩く。
顔を見れば土方がどこか切なげ表情で銀時を見つめていた。
顎に手を添えて唇を合わせる。
深く深く、舌を絡ませ口内を探り、呼吸が苦しくなれば角度を変えて
失ってしまったのではないかと凍りついた心が温まるまで土方の唇を貪った。
「銀時。」
やがて、キス以上の温もりを求めて土方の服の襟に手をかけた時、土方がぽつりと銀
時の名を呼んだ。
「ん?」
「シャワー浴びてこい。手当するから。」
「え・・・あ・・・お、おう。」
言葉とともに土方が銀時から離れる。
離れていく土方の体温を追うように銀時の手がしばし空をさまよった。
シャワーを浴びて出れば、やはりほかの部屋でシャワーを浴びてきたらしい土方がき
っちりと服を着込んで医療セットを持って待っていた。
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