1.5W副長(第二部) 完結

□第17章 崩壊 その捌
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「白夜叉。」

かつての二つ名を呼ばれてゆっくりと顔を上げた。

足元には無数の男たちが転がり呻き声をあげている。

しとどに流れる汗とそれに混じる血のぬめりを無造作にぬぐうと目の前の男の顔に

視線を据えた。

「朧か。」

死肉を啄む烏のような瞳。

(いずれ出てくるとは思ってた。)

真選組を壊滅させよと言う命令が中途で潰えそうになったのに気付き、定定かあるい

は天導衆あたりが送り込んできたのだろう。

「俺のこと覚えてたのかよ。」

皮肉に口の端を歪めた。

「その目立つ容姿、忘れるわけもない。」

朧が冷たい声で答え、銀時ははっと乾いた笑いを漏らす。

「前会った時全然知らんぷりだったけど、あれは気づかないフリしてたってわけ?」

「敵対しているのでなければ、お前の正体を明かす必要もない。」

「へえ・・・。敵味方の峻別はしっかりしてるってわけかよ。で、この度は俺はてめ

えの敵なんですか、味方なんですか?」

朧の指間から針が数本現れる。

「敵だ。」

朧の手から針が飛んだ。銀時がそれを木刀で叩き落とす。

「俺ら幕府を守る真選組なのに?」

「真選組は逆賊として殲滅されることとなった。それを阻むことは許されぬ。」

銀時の目がすっと細くなった。

「逆賊・・・か。そこらのガキども集めて読み書きそろばん教えていただけの人間

に謀反の罪をきせて首斬り落とした連中の言いそうなことだ。」

銀時の瞳に冷たい光が閃く。



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