1.5W副長(第二部) 完結

□第11章 崩壊 その弐
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「ちょっと出てくるわ。」

私服に着替えた銀時が土方のところにふらりと来てそう言ったのは、今日の朝稽古の

前だった。

「ああ?てめえ、今日は休みじゃねえぞ。」

土方がじろっと睨みつけると、

「有給つけといてよ。有給。」

とへらっと笑う。

「ふざけんな!」

土方は口を引き結んだ。

昨夜、春哉の事件の前まで銀時は今日休むなど一言も言っていなかった。

(何考えてやがる?)

「てめえ、どこ行く気だ?」

「え〜、なに?これ『あなたの行動はすべて把握してないと気が済まないの』的な拘

束?銀さん、土方くんのこと愛してるからこんなこと言われても引かねえけど、寧ろ

嬉しいけど・・・、」

「ふざけてんじゃねえよ!」

カッとして土方が怒鳴ると、銀時は少し困ったような顔で土方を見た。

「ただの野暮用だって。まあ、ちょっと今日は帰るの遅くなるかもしれねえけど

さ・・・。」

「遅くなる、だと?」

土方はじっと銀時の目を見た。

「うん、まあ・・・。けど、信じて待っててくんね?」

銀時の双眸がかすかに翳り、土方は瞬間言葉を失くした。

決して銀時が裏切るのではないかと疑ったわけではない。ただ、銀時が一人何かを抱

えて動こうとしているのではないかと思っただけなのだ。特に昨晩、あんな事件があ

った後であれば、なお。

それを銀時は疑われていると感じたのだろうか・・・?



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