1.5W副長(第一部) 完結

□第11章 変身
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建物の中に飛び込んだ俺たちは、無言で内部に向かって突き進んでいた。

「あ!」

と声がする方を見れば、部屋から出てきた男が立ちすくんでいる。

土方が即座に体を寄せて、刀の峰を男の体に叩き込む。

男は驚いた顔のまま、その場に崩れた。

その後ろから別の男が顔を出すのにまた、土方がびしりと刀を打ち込む。

不穏な雰囲気に奥の部屋から、男が出てきた。

今度は銀時が一気に間を詰めて、木刀を叩き込む。

2階から覗き込んできた奴がいる。背後のライフルが稼働する音がして、男は転がり落

ちた。

「どうした!?」

何人もの男たちが部屋から飛び出てきた。

一気に土方と銀時とでかたづけていく。

拳銃を持っている姿もあるが、構える前に意識を失わせていく。

援護でライフルをもつ隊士達は、もっぱら2階から出てこようとする連中を狙い撃ち

している。

この分なら、意外とさっさと終わるんじゃねえ?

警戒をゆるめず、一つ一つ奥の部屋に進んでいく。

目の前に立ちふさがっていた浪士を倒し、土方が脇にあった小さな部屋に飛び込んだ。

中には待ち伏せしている浪士がいて、土方は間一髪男が振り下ろした刀を受け止める

と、そのまま返す勢いで刀を一閃させた。

土方の後ろからつづいて部屋に飛び込もうとしていた銀時は、その小部屋のさらに奥、

暗闇の中から土方に向かって何かを投げつけようとしている男がいるのに気が付いた。

(爆弾か?!)

咄嗟に土方を突き飛ばした。

ボンというくぐもったような音がして、

「万事屋!!」

と叫ぶ土方の声がした。

体を引き裂く衝撃を覚悟して目をきつく閉じる。

だが、何の痛みを感じることもなく、瞑った目を開ければ、土方の驚いたような顔が

目の前にあった。

「万事屋・・・・。」

土方が呆然とした様子で呟く。

何が起こったのかわからず、とりあえず立ち上がった銀時の腰からずるっとした感覚

とともにズボンが落ちた。
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