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□兄妹
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あの日、私の想いを受け止めてくれた兄。
突然の告白ということも、兄妹だということにも関わらず、私を受け入れてくれた。
どこかに一緒に出掛けたり、姉たちがいない間にこっそりとキスをしたり。
恋人と言っても、最初はそれだけの関係だった。
毎日が楽しくて楽しくて、幸せだった。
でも身体を繋ぎ合わせたあの日──。
最初は愛しい兄とひとつになれたことが嬉しかった。
ところが回数を重ねるうちに、背徳行為だと感じられるようになった。
始めからわかっていたはずなのに。
私たち兄妹の関係は許されないものだということなど。
こ の 罪 悪 感 は 一 体 な ん だ ろ う ──
得体の知れない大きな黒い塊が追いかけてくるようなこの気持ち。
私は、畏怖した。
だから、せめて。
せめて、繋がるときだけでも──。
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