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□兄妹
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兄と妹──
そんな私たちの恋愛が許されないことはわかっている。
ねえ、神様。
どうして私たちに、結ばれてはならない運命を与えたのですか──?
それは、半年ほど前のこと。
「お兄ちゃん、好きなの……。ずっと前から、男の人として」
抑えきれない衝動に駈られ、想いを伝えた。
届かなくてもいいから──。
私が貴方を恋愛対象者として見ていることを知ってほしかった。
「ミク……」
兄は一瞬驚いたようだが、すぐに私を抱きしめて、囁くように言った。
「俺もだよ」
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