special
□新婚みたい
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「よし、完成ですわ」
台所でルカが満足気に呟いた。
今日の夕飯は麻婆茄子。
味付けにはけっこうこだわった。
茄子はルカの愛しいあの人の大好物なのだから。
「誰に味見してもらいましょうか……」
考えていると、カイトとがくぽが近くを通り掛かった。
「ルカ、今日のご飯何?」
カイトが尋ねる。
「麻婆茄子ですわ」
「な、茄子……!!ルカ殿が我のため「違いますわ、茄子男。私が食べたかっただけです」
即座に反応したがくぽの言葉を、ルカは否定する。
(あぁ、また茄子男と呼んでしまいましたわ。あと、貴方のためですけど……。そんなこと恥ずかしくて言えません)
ルカは自責の念にかられた。
カイトはそんな2人を一瞥すると、そそくさとリビングへと戻っていった。
「ルカももっと素直になったらいいのに」
そんなふうに思いながら。
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