体験入学 Girl

□今日からよろしく立海生!
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さて、朝になりました。


学校へ行く時間です。


...


『昨日立海で制服もらってくるの忘れたぁぁぁぁぁ!』


そうです。バカなカナで申し訳ありません。とうとう最悪ハプニングのクライマックスまでたどり着きました。


『あぁぁぁ...昨日やっぱり行くべきだった...どうしよう...早く学校に行ってきて制服をもらってくるべきか...』


う〜ん、でもそれしか考えられない...


うん、そうしよう!


とりあえず一番制服っぽい格好をして行くか...


......................



今度こそ、ちゃんと立海大付属の前までたどり着きました...


『で、でかい...!』


こんな学校、スゴすぎない?!


て、その前に、こんな早く来た理由を忘れる前にちゃんと制服をもらわなきゃ!


えーと、入り口はあそこだよね...



キー...



そして、職員室に行けばいいんだよね...


確かパンフレットの中に地図が...


...


...


...


つ、着いたぁ!


よし、中に入ろうじゃないか!




ガラガラガラ..



『あのー』


「?君、こんな時間に何のようだ?ここの生徒か?」


こ、怖そうな人...


でぇい!ここで引いちゃこっちの負けだ!


『はい。今日から体験入学する星宮カナです。昨日訪れる予定だったんですが、ちょっと急用が出来てしまって...』


すると怖い人が優しい顔で


「あ、君があの試験に受かった外国人かい。いやー、すまない。あまりにもごく普通の日本人生徒に見えたから。そうか、私服姿という事は、制服をまだ借りていないんだな。ちょっと待ってくれ」


怖い先生はそう言うと、職員室の奥に向かって、ダンボール箱から制服らしき物を複数取り出した。


「これが君の冬の制服だ。そして体育着。制服水着。これで学校生活用の服は以上だ」


『ありがとうございます。あの、学校が始まる前まで校内を歩き回ってもいいですか?』


「もちろん、その前に、君の教室は3-Bだから、先にそこがどこか確認した法がいいと思うのぞ」


『はい、じゃあ失礼します!』



ガラガラガラ



よし!トイレに行って着替えてこよ!



...............




うわ!何この制服!


ちょー可愛い!


まあ、あたし的には山吹の制服の方が好きだったけど...


やっぱい立海に行きたいからしょうがないか!


では、まず


3-Bを探しに行きますか


確か三年生校舎はあっちだったよね...


...


あった!


あ、さっそく3-Aみっけ!


3-D...


...


3-C...3-B!あった!ちょっと中を覗こ...


お、さすが日本/立海!


すっごくきれいに片付けられてる!


しかも机が怖いほどまっすぐ!


おー


黒板!?


まだこれって学校で使われてたんだ...


あ、でも窓からの眺めがいいねー


プール、野球場、体育館、テニスコート...


テニスコート...


テニス...か。


何年ぶりだろう、テニスやったのは...


とかいいながらこっちにラケット持ってきたんだよね...


また、やってみようかな...


ここならきっと誰もあたしの事分からないし...



ガラガラガラ



『?!』


「あれ、あたしより先に誰か来てるし。ん?あんた、誰?見た事のない顔じゃん」


突然入ってきた女子生徒が尋ねた。背が高く、体もすらっとした子。顔立ちがあんなにきれいじゃなかったら男と見間違えるような短く黒い髪。あたしをまじまじ見学するめが痛い...


『あ、今日3-B転校してきたんだ。あたし星宮カナよろしく!』


う、ちょっと馴れ馴れしすぎたかな...


「ふーん、あんたがあの転校生ね。あたしは川上美香、同じく3-B。何か分からない事があったらいつでも聞きな」


わー、なんかかっこいい姉御タイプ!仲良くなれるといいな〜。


「ところで、なんでこんな早く学校に来たんだ?まだ45分はあるけど」


『あ、昨日制服とかとりにくるの忘れちゃって、だから今日早く来て、借りてきたんだ』


「あー、なるほど。ま、こんなつまらない教室で待ってるよりもマシだと思うし、校内の案内をしようか?」


『え、いいの?!』


「うん、大切な転校生なんだから当たり前じゃん。じゃ、行こうか」


『うん!』




..................





「ーで、ここが音楽室でそのさらに向こうの扉は体育館とか運動部活が行っている場所」


『ふーん、川上さんは部活やってるの?』


「ん?あたし?うん、女子テニス部の部長だよ」


テニス


『うわー、部長かー。川上さんに似合うね』


「あはは、そう言われると照れるよ」


テニス、か。


『あの』


「?」


『あたし、テニス部に入部してもいいかな?』


言った。力を名いっぱい込めて口から出せた言葉。


「え?もちろん!みんな優しい奴ばかりだし、歓迎するって!」


『ありがとう!』


うん、この学校であたしはやりたい事をやる。誰にも押さえられないで、自由になってやる。


「じゃあ、校内案内はこれで終わりだし、残りわずか10分はテニス部のみんなに紹介するよ」


『え、皆いるの?』


「あ、そうそう。実は今日朝練だったんだけど、ちょっと抜け出したんだ、皆練習試合に夢中だったし」


『え、それっていいんですか、特に部長が...』


「まあまあ、こんな事滅多にないから安心して。あたし達の副部長は結構しっかりしてるし」


『そ、そっか』


本当にいいのか、こんな事をしてもらって...


「着いた着いた!皆ぁー!新しい子が来たよ!」


川上さんの声が聞こえた瞬間、部のみんながこっちに走ってきた


「うわーこの子が噂の?」


「へー、日本人みたいだね!」


「名前は?」


「テニスうまいの?」


「ねねね、英語しゃべってよ!」


うわー、一度にこんなに話しかけられると...


「こらこら、困るでしょ。この子は星宮カナ、あたしと同じ3-B。みんな、仲良くしてあげてね」


「「「「「(全員)はーい!」」」」」


すると違う声が


「美香、どこに行ってたの?急にいなくなっちゃって」


と尋ねてきた。


「あ、ごめんごめん、転校生を放っておけなくてさ。あ、紹介するね。こいつはあたしの双子の妹の川上美沙。顔は似てるかもしれないけど、声が違うから見分けは簡単のはずだよ。ちなみに、女子テニス部の副部長だ」
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