体験入学 Girl
□ここ、どこ?
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...
あたし、星宮カナに、一大事
その名も
迷子、です
...
あはははは、あまりの気まずさで、バスから降りちゃいました〜
あははは、はは...は...
いや、これマジヤバいかもしれない
さっきバス降りてから考えずに突っ走っちゃったからさっきのバス停の名前も知らない
おまけに神奈川は初めてだから、どこがどこかさっぱり分からない。
どうしよう
こんどこそ本当にホームレスに...
って訳あるかぁぁぁぁぁ!
今度はちゃんと携帯を持ってきた!充電済みのを!
よし!
これで清美さんに電話をすれば、どうやって戻るか教えてもらえる〜
あたしってラッキー♪(げ、あいつの口癖うつったー)
まあ、一応電話をかけよう
カチャ
ピコピコピコ
...
プルルルルッ
プルルルルッ
...
|ただいま、おかけになった電話はーーー|
留守電だぁー!
じゃ、じゃあ、お母さんを?
でもお母さんも神奈川行った事無いか...
インターネット、っていう手もあるけど、自分の位置も知らないし...
この携帯、アメリカのだからGPSは効かないし...
う〜ん、誰に電話をかければ...
?
...
???????
これって、
...
アイツの番号?
...
うん、アイツしかいないね
こんなヘンテコな名前で人の携帯に番号を残すのは
あのバカ男が
まぁ、これで二回目の借りか...
正直言うと嫌だな、アイツにこんなに借りがあるとは...
でも今は本当に困ってるからしょうがない!グズグズしてる場合か!
ピコピコピコ
...
プルルルルッ
...
プルルルルッ
...........
*千石サイド*
ピロリラピロリラ〜♪
「ん?誰からだろう?」
「どうせお前の事だから、女だろ?」
あははと笑う男の集団
「...!カナ?!」
俺はすぐに電話に出た。
まさか、こんなに早く俺の電話番号を忍ばせた事に気が付くとは...
ま、俺的には嬉しいし、ラッキー♪
「もしもし?カナ?早かったね、この番号に気が付くの」
俺は怒った声を予想していたけど、帰ってきた返事は
『ス、スミ...ちょっとまたお願いがあるんだけど...』
ちょっと心配そうな声だった。
一体どうしたんだ?
「え、なになに?神奈川でどうかしたの?」
『いやぁ〜、それが迷子になっちゃって〜...道、教えてくれないかな〜、なんて...?あははは...』
「え、迷子?」
俺はちょっとホッとした。
なんだ、迷子か。
カナは本当に、こういう時は可愛いなぁ〜♪
『うん...ちょっと事件があってね、バスから早く降りすぎちゃって...電話先でいいから道教えてくんない?』