体験入学 Girl

□これから...
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ガチャッ


「ただいま〜カナが来たよ〜」


「カナちゃん?!」


『久しぶりでsー』


ガバッ!


『ウオッ!』


急に抱きついてくる清美さん。別にこうされるのは予想していたけど、相変わらず痛い。


腕が折れる。


「キャー、カナちゃーん!もうこんなにお姉さんになっちゃってー!ほらどうぞどうぞ、あがって〜」


「あ、どうも...」


あたしは静かに玄関からあがった。


それにしても


『やっぱり日本の家はいいね。こういう家はやっぱり落ち着く』


清美さんの後を付いて行き、たたみの部屋へと到着した。そこにあったのはー


『こたつだぁぁぁぁぁ!!!!!』


こたつへ思わず直行線で突入。


あぁ、愛しのこたつ!


こたつなんて、何年ぶりだろう?


『...あ』


そういえば、今あたし、結構恥ずかしい事をしちゃった...?


「ふふふ。そんなにこたつが愛おしかったのかしら?もう、カナちゃんったら、本当に変わらないのね」


「あはは葉は、でもそこまで直行に入るとは、本当カナってアメリカ人だね」


清美さんもスミも大爆笑。


あーあ、またあたしは自分を笑い者に...


ま、しょうがないしょうがない。


そういう性格ですから(笑)


「ところで」


急に真剣な顔をして一緒にこたつに座る清美さん


「明日の事だけど、朝の10時27分からのバスに乗れば、一番早く神奈川に着く電車に乗れると思うわ。だから今日は時差を直すために早くお風呂は行ってきて寝た方がいいと思うわ。いいね?」


「あ、うん。ありがとう清美さん」


全部調べてくれたんだ。


ホント、清美さんはいい人だな〜


「あーあ、ホントに立海に行くのカナ?まだ気が変わったなら遅くないよ〜」


ボコッ


「イテッ」


「バカ、何行ってるの清純。体験入学試験にせっかく受かったんだから、行くに決まっているでしょ。それに、もう学費も払ったんだからもったいないでしょ、今頃気を変えたって」


スミの頭をたたきながら説教する清美さん。


『あはは、それもそうだけど、あたしいろいろ調べてみて本当に立海に行きたかったんだ。テニス部もすごいらしいし』


あたしはテヘヘと舌を出しながら笑った。


「カナ、相変わらずテニスはどう?まだ全勝無敗?」


『まぁね♪テニスだけはうまいからさ」


「そんなことないでしょ、カナちゃん。も〜、もうちょっと自分に自信を持ちなさい!」


『あはは、ハイハイ。お母さんと同じことを言うなんて、さすが双子だね』


あたし達はふざけながら言う


「まあ、お話もいいけど、カナちゃんは早くお風呂に入っておかないと、明日起きられなくなるわよ。その間、ちょっと明日のためのおにぎりでも作ってあげるから」


そう言う清美さんは立ち上がり、台所へと向かう。


『じゃあ、お言葉に甘えてもらいま〜す』


続いてあたしも立ち上がり、荷物からパジャマを出してお風呂場へ向かう。
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