体験入学 Girl

□3年後
1ページ/5ページ




「パスポートは?」


『ここ』


「お金は?」


『ここ』


「携帯は?」


『手にある』


「荷物はちゃんと全部あるわね?」


『はいはいはい、ありますって』


質問の山を終えたあたしはため息をつき、それぞれの物を鞄の中へ戻した。


「じゃあ、気をつけてね。時間もちゃんと見ながら行動するのよ。あっちに着いたら、ちゃんと電話しなさいね。あと、清美さん達によろしく伝えておいてね」


お母さんは心配そうに確認する。


『分かってる分かってる。もうちょっと自分の娘を信用してよ!いざという時には電話すればいいし』


そう答え、スーツケースのハンドルを手に取り、玄関に向かった。


「カナ、そうやって油断をするのは危ない。一生家に帰って来れなくなるかもしれないぞ。空港に着いたら出来るだけ早く飛行機に乗れ。遅れるよりは早めの方がいい」


お父さんは厳しい顔で忠告してきた。


『あ〜、はいはい。二人してそんなに心配しなくてもいいのに。どうせ飛行機の外でも中でも暇なのは変わらないし。日本語はぺらぺらなんだから向こうに着いても大丈夫だし。あたしだって無事に着きたいんだからさ、無茶な事はしないって』


二人の不安の顔にニッと笑いながら靴を履き、玄関のドアを開けた。


『じゃあ、改めて行ってきま〜す!』


「「いってらっしゃい!」」



よ〜しっ!日本へレッツゴー!
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ