SHORT DREAMS
□丸井ブン太の彼女の話
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『ブン太!』
ガン!
あたしは一直線で彼氏であるブン太の机までドシドシ前進する。
「お、おぅよ。どうしたんだ?腹でも減ったのかよぃ?」
ビックリした様子を隠そうともしないブン太。でも、それを気にせず、あたしは語った。
『当たっちゃったよ、
焼き肉&ケーキDXバイキングの無料券。二枚。奇跡的に』
しばらくの沈黙
「おいマジかよぃ!?あの一日50人しか受け付けない幻のバイキング店!?」
『そう!あしただけ有効なんだけど、行くよね?』
「ったりめーだろぃ!あぁ...バイキング久しぶりだぜぃ!」
よだれを垂らしながら手を組む食バカップル。その光景を同じクラスメイトでもある仁王は呆れながら眺めていた。
「お前さん達、ホントお似合いだぜよ。こんなに色気より食い気を選ぶカップル、始めたみたぜよ」
「まぁな☆羨ましいだろぃ?」
そう言いながらあたしの肩を抱き寄せるブン太。こういう仕草があたしは大好き。
「おうおう、ラブラブっぷりを自慢せんで、早く教室に戻った方が良いぜよ。もうすぐ授業が始まる」
あ、確かに。
『ホントだ!いっけない!じゃあねブン太!愛してるよん♡』
「俺も愛してるぜぃ♡」
こういう事もあっさり出来ちゃうあたし達は、校内ではちょっとした有名人みたい。まぁ、あたしはともかく、ブン太がコレにすぐ慣れたのが凄い。あたしは一応外国で育ったからさ。
あ〜、でも明日のバイキング、楽しみ〜。
深夜3時まで起きてた甲斐があったよ!(少々きつかったけど...)
そして早くも次の日部活後...
「じゃ、俺はバイキングデートだから、行くぜぃ!」
「フフフ、彼女とバイキングかぁ...君にぴったりの彼女が見つかってよかったね、ブン太」
「ホント、まさかあの大食いの丸井先輩に負けないぐらいの大食いの彼女が現れるなんて...マジ奇跡っすよ」
「男の嫉妬は醜いぜぃ、赤也!アイツは大食いだけじゃなくて、早食いもすげーんだぜぃ☆」
「それは、自慢して良いんでしょうか...女性としてはそれは勝ってに公開されては...」
『えへへ〜ん、まぁね☆てかブン太、遅いと思ったらあたしの自慢話?照れるから止めてよ』
あたしの嬉しそうな様子をみた柳生君は、やれやれとでも言う様な表情であたし達を見送った。
さて、コレで肝心のバイキングに行ける!レッツゴー!
『ガツガツガツガツ』
「ガツガツガツガツ」
あたし達は食べ物だけに集中して、一言も交わさず90分のバイキングデートを過ごしました(笑)
そして90分が経った途端、まるで追い出す様にウェイターさんにドアへ案内された。ま、この扱いも慣れてるけどさ、アッハッハ
帰り道は、いつもの様に手を仲良くつなぎ、どのケーキが一番美味しかったかを話し合いながら、次のデートの予定を考えたりするのが、あたしたちのデート日課でもある。
丸井ブン太の彼女
(あのチョコモンブラン美味しかったね〜)
(おぅ!あの栗とチョコの相性が完璧だったぜぃ!俺たちみたいにな!)