SHORT DREAMS

□沖縄のアツイ二人♪
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コンチワ!比嘉中テニス部(強制)3年生マネの星宮加奈ッス!



比嘉中を良く知らない方、ここは沖縄の中学です!



ですから、相変わらず暑いです。



ホント、この天気で普通テニスやるか?!



やっぱり東京から来た所為か、この蒸し暑苦しさには早々慣れない...何回ぶっ倒れた事があったか...



ま、そん時はアイツが助けてくれたんだけどさ...///



『でも、もうダメだ。今日こそは帰ろっと!』



やっぱり限界は限界だ!



早く家に帰ってエアコンの効いた部屋で宿題でも終わらせよ!



と、張り切って校門を通り過ぎる寸前...



グイッ



『...』


誰かに制服を引っ張られた。



この感じからすると...



「何してるんですか、星宮君」



出たぁぁぁ!!!木手様だ!!!



コイツ、黒くないんだけど...



なんか、ヤなヤツなんだよね〜。とにかく怖い!



リーゼントなんかしてるし...



いかにも”番長”ってカンジじゃん。



「聞こえませんでしたか?私は今何をしているのか聞いたんですが?」



『イダダダダダ!イダイ!痛い!ちょ、木手様痛いって!』



ちょっと考え事をするとすぐに髪を思いっきり引っ張ってくるんだから!



痛いんだよ!



ものすごく!



アンタの所為であたしは若くしてハゲになるぞ!



「ハァ...どうせ部活動から逃げようとしていたんですよね?この私がそうさせるとでも?」



『...思っていません...』



チッ、逃げそびれた。



「まったく、あなたという人は...平古場君が悲しみますよ。もしかして、嫌われているんじゃないかといつも悩んでいますよ」



ため息を付きながらあたしの制服を離す木手様。



『え!?どうして?!』



その発言にあたしはビックリした様子を隠せない。



「そんなの、自分の部活のマネである彼女が、毎日部活に行くのを嫌がっていたら、誰だって落ち込みますよ」



そ、そうだったの!?



あたしは単に暑いのが嫌だっただけで...



そんな事全然考えてなかった!



『教えてくれてアリガト木手様!今、凛のとこ行って来る!』



一言お礼を言えば、あたしは全力でテニスコートへと向かった。





























ハァ...



その頃、礼の彼氏さんはテニスに集中出来ず、思いっきりため息を付いていた。



「ちゃーさびたがんやっさー、凛み?がんじゅーねーらんな(どうしたんだ、凛?元気ないな)」



元気の無い平古場に気付き、甲斐が様子を尋ねる。



「ハァ...わん、加奈んかいにーりたんわりゆん様なくとぅしちゃんかみ?(俺、加奈に嫌われる様な事したか?)」



見捨てられた子犬みたいな表情を浮かべながら下を見る平古場。それに呆れたかの様に甲斐はただ



「アイツやのみぐさぁ〜やっさーあちさんぬが苦てぃーぬーがろみ?ちょぎりーさーうひぐゎー自信持てよ(アイツはただ暑いのが苦手なんだろ?もうちょっと自信持てよ)」



と、説明する様に言い、肩をバンバン叩く(一応、慰めようとしているらしい)。



「分かってからるしがよ...(分かってるけどよ...)」



けど、まだ納得いかない様に平古場は落ち込んだまま、叩かれた肩を摩る。



その時、



『リーーーーーーン!!!!』



「「!?!?」」



問題の原因である彼女さんの登場!


















『はぁ、はぁ...凛、木手様から...話聞いたよ...はぁ』



あぁああぁあぁぁ!!もう凄い走ったよ!



この暑さで走るのって、あたしにとっちゃ自殺も同然。



汗の量が半端ない!



「お、おうよ」



ビックリしている凛はまだ状況を掴めていないようで、動揺している。



『水...貰うから...』



当たり前の様にあたしは凛の手から水筒を奪い、ゴプゴプ飲む。間接キス成功、エヘッ!



あ、ちゃんと凛の分の水も残しておいたから、安心して♪



でもこれでちゃんと話せる!



『えっと、誤解させてたみたいだけど、あたし、暑いの苦手だから部活がメンドイと思ってたの』



「ぁぁ...」



返事小さいなぁ!!



『だから、いつも逃げようとしてたの。決して凛の事が嫌いになった訳じゃないから!』



「...」



それでも落ち込んだ様子は無くならない。



『...ごmーー、じゃなくて...わっさんね、凛(ごめんね、凛)』



「...」



『どうしたら...えーと...なんだっけ...ちゃ、ちゃー...ちゃーさびたがら、許してとらせるみ?(どうしたら、許してくれる?)』



凄いでしょ!あたし、凛達と”うちなーぐち”話せる様に凄く頑張って勉強したんだよ!



これも愛の力、ってヤツ?



えへへ



って、今はそれ所じゃないか!



『ねぇ、凛?』



「...あんせー...(...じゃあ...)」



『じゃあ?』



目を輝かせながら凛に近づくと



「...キス...してくれたら...許してやる...///」



え、え、えぇぇえぇぇっ!!!???///



ちょ、気を使ってくれて標準語で話したのは嬉しいけど...



ここ、テニスコートだぞ!?



こ、こ、ここここ、こんな人前で?!///



「もちろん、やーからのヤツ...///」



しかもあたしからかよ?!?!



あー、もー、恥ずかしすぎ!



でも、これで許してくれるんだったら...



これで機嫌直してくれるんだったら...



エーーーーイッ!もう、カレカノなんだからやっちゃえ!!!



『凛///』



「加奈」



『...///』



「...」



今更になって恥ずかしいぞ!



でも、凛がさっきと違って嬉しそうな顔してるし...



...



もう、人前だのなんだの無視しちゃえ!



むしろ見せつけちゃえ!!!



『...ん!///』



「!///」



きゃあああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!



皆の視線感じる!!!



けど離れようとするあたしを凛は捕まえ、あたしを抱き止める。



今の状態:凛の膝の上にME



ちょ、ちょっとちょっと!これヤバい!凄く勘違いされちゃう様な状態だぁぁぁ!



でも、凛の腕は緩まないし、むしろ腰とかに回してるし、口の中には舌が入って来るし...



ぎゃあぁぁぁああぁあぁあ!!!エロい!この密着度ヤバい!



こんな破廉恥な事、テニスコートでして良いのか?!?!



「ダメに決まってるじゃないですか、平古場君に星宮君」



「『!?!?!?!?』」



不意に木手様の声が聞こえたあたし達はすぐに離れた。



「はぁ、平古場君が可哀想だったので、ちょっと手出ししてあげようかと思えばこうですか...」



「え、永四郎...///」



『木手様...///』



「ヒューヒュー、お暑いなぁー、いったー(お前ら)」



甲斐...この後ぶっ殺す...



「イチャイチャするのは良いですが、程々にしてくださいよ、お二人さん」



呆れ顔で叱る木手様...



「『はーい.../やーい...』」



この後、あたしたちは罰として木手様にゴーヤ食わされたのも、言うまでもない。










→後書き&おまけ
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