体験入学 Girl
□さてと、そろそろふざけますか
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「それより、次の試合は丸井とジャッカルだろ?そろそろ準備をした方がいいんじゃないか?」
「え、あ、そうだな!行くぜぃジャッカル!」
「おう。じゃ、またな星宮」
『あ、うん。試合観て来るから!』
この二人はああいう表情しないと思うし、今度はちゃんと観る事が出来ると思う。
でなきゃ、今度はマジで幸村にどうされるか...
...
うわっ。怖すぎて考えたくもない
とりあえず、あの二人の試合が始まるまでまだ時間はあるはず。ちょっと他校の試合でも観てこようかな。
『あ、あの、幸村...部長...』
「ん?なんだい星宮。緊急事態でもなければ、ちょっと俺の腕が前に前進しちゃうかもしれないけど、何か用?」
『...』
えっと。つまり、話しかけるなとでも...?う〜ん、でもやっぱり試合観たいから...何か言い訳...言い訳...
『あ、実は!さっきはぼーっとしちゃったから分かんないけど、もしかしたら他人のテニスを観たら、自分のテニスの記憶も戻って来るかなー...なんて、思ってたんだけど...いいかな?』
これでどうだ!
「...あぁ、そういうことなら、観て来るといいよ。丸井とジャッカルの試合には戻ってくる事だけ、忘れるないこと」
『イエッサー』
作戦成功!
これで魔王から離れる事が出来る!
...ちょっと、さっきの言い方に罪悪感感じるけど...
記憶が戻るかも、って言うのは嘘じゃない。もしかしたら、実際コートの外からテニスをちゃんと見物したら、何かが戻って来るかもしれない。そんな小さな希望があたしの中で芽生える。
で、ただいま何百列のテニスコートの試合をちょびちょび見学しながら歩いているカナちゃんです。なんかコイツら...
テニスが怖いくらい凄いんだけど。みんな将来オリンピック選手かよっ!?
ま、あたしのテニスも負けないけどさ♪
問題は記憶ですな...うん。
そんなこんな考えていたら、聞き覚えのある声に話し掛けられた。
「ヒャハハハハーー!テメーも赤く染めてやるぜ!」
あ、
『切原赤也君じゃないか。また暴れてるし』
さっき怒られたばかりなのに...
幸村にバレたら死ぬぞお前。
声掛けてやろうかなぁ...でもたぶん掛けてもなんか暴言吐かれるだけだろうし...う〜ん...
と、その時
「あ!仁王先輩何俺に化けてんスか!」
『...?』
ありゃりゃ?なんか後ろからも切原君の声が...
『って、切原が二人!?』
思わず声をあげてしまう
「あぁ?んだよ、星宮かよ。俺が本物。今試合してんのが仁王先輩。俺、あんな格好悪い笑い方しねーよ」
いや、してるぞオイ。
でもそんな事を言えるはずも無く、ただ『へぇー』と頷く。
「プリ」
...あの変な事を言ってる...これは正真正銘仁王だ。コイツのプレイは確かこういうのだったよね。人をコピーするプレイ。
...
...
...
...オイちょと待た。
もしかしたら...
このプレイ...
あたしの記憶の回収するための鍵かもしれない!
『おーーーーーーーーーい、仁王ーーーーーーーぅ!』
「?」
急に声を掛けられて止まる仁王。
あ、大丈夫。今一セット終わったところだったから。試合の邪魔じゃないから!(?)
『ねぇねぇ!あたしのプレイスタイルをコピー...出来たりする?』
「はぁ?お前のプレイスタイル?」
隣の切原バカ也(新たなるニックネーム)が尋ねて来る。
ふんだ、君に話し掛けてる訳じゃないんだからいいじゃんか!
切原は訳が分からなかったようだけど、仁王はすぐにそのお願いの目的が分かったらしく
「おう、やってみるぜよ」
と、答えてくれた。
しかし、
『?何かね仁王君。あたしのプレイスタイルをコピーするんjーー』
「お前さんの服がいるぜよ」
『!?!?!?!?!?!?!』
ちょ、ちょちょちょちょちょちょっと待った!服?!プレイスタイルをコピーするのに服って必要?!じゃないよね?!
『あのー、意味が分かりません』
うん、マジで。
「ハァ...仕方ないのぅ...」
と、ため息をすれば、
ジジジジジジーーーー
『@!*&$!*@#%#&!*#&$!』
コイツ、ジャージのジッパーを下ろし始めた!
なんてこった!
『ちょ、何する変態!離れて!触るな!』
しかしあたしの抵抗は効き目無し。あっという間にジャージは脱がされ、スエットパンツも脱がされた。
幸い、下にはショーツと半袖Tシャツを着ていた。
『〜〜〜〜〜〜っこのぉぉぉぉぉぉぉ!!!』
そして殴りかけようとしたその瞬間、
「まぁまぁ、これで借りはチャラにしちゃる。感謝しろ」
そういえば、借りがあったっけ...まぁ、そう言う事ならしょうがないか...もしかしたら記憶も戻るかもしれないし...
「じゃが、これで記憶が戻ったらまた借りが出来るがな」
...コイツ...
ケラケラ笑いながらあたしのジャージとスエットを着た...もう一人のあたしが現れた。
凄い...ホントにあたしにそっくり...ちょっとそっくり過ぎて同時に怖いけど...
しばらくすると、仁王の(あたしの?)試合が再開した。あたしは仁王の(あたしの?)動きを一つ一つ、何事も見落とさない様にジッと観察をする。
しばらくはただのラリーだが、やがて相手(紫のジャージの金髪人)が変な技を繰り出した。ボールが凄いスピードで久根ながらネットを越える。
仁王(似非あたし)も何かの技を繰り出す様な体制になる。そして...
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