BASARA

□夢と現と想い
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2.
―石田三成。彼女はあまり、クラスの者に好かれてはいない。
特に女子にはかなり迫害されていた。

『 ガラッ 』

三成が教室に入ると、クラス中の女子が静まり返った。男子も、少しだけ
声のトーンを小さくする。
三成はそんな状態を気にする事もなく、平然と席についた。三成のその態度が、
さらにクラスの者達に嫌悪感を抱かせていた。
協調性が無く、トゲのある発言をするところをクラスの者達は嫌っている。また、三成もそれは自覚していた。そして、それを直す気は三成にはなかった。
なので、嫌われても致し方ないであろう、と三成は思っていた。


一方、徳川家康は、三成とは対照的に、クラスの人気者だった。
持ち前の明るさと人懐っこさから、家康はすぐに友達が出来た。成績も良く、担任からも気に入られていた。
むしろ、家康の方が嫉妬や嫌われる対象になりそうなのだが、家康の性格の良さから、そういった事は起こらなかった。
なので家康は、
自分と似た立場にいる三成が性格の違いで皆から嫌われていることが、心配だった。

『 キーンコーンカーンコーン♪ 』
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