BASARA

□醜い黒、醜い赤
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「 うああああ‥‥! 」

美濃の地・関ケ原―
天下分け目の戦場に、1人の男の慟哭がこだまする。
男の名は石田三成
関ケ原の戦にて西軍の総大将を務めていた。
そしてもう1人。

「 石田ッ!! 」

三成の元に駆けて来たのは、“鬼”と呼ばれる男、長曾我部 元親

「 無事か、石田!? 」

元親は座り込んで泣き叫ぶ三成の肩を抱き寄せた。
三成は泣き続けていた。
―徳川家康の亡骸を見つめながら。

「 いえやす…っうぅ‥‥秀吉、様。どうか私にこの罪の赦しを請う許可を… 」

「 石田…。もう許可なんて貰う必要は無ぇだろ? 」

元親はそう言って三成の背を優しく撫でた。

「 判っていた…ッ許可など、最初から得ていない事など……! 」

「 ‥‥ 」

「 秀吉さまぁ…秀吉さまぁぁあ… 」

三成は今までとは違う、子供のような泣き声を上げた。
元親はそれを見て、三成を立ち上がらせた。

「 石田…四国に来い。俺が面倒見てやる。だから……な? 」
諭すように元親は言った。
しかし、三成は元親の腕を振り払った。
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