短編

□first love 1
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… side フレン …






今日から始まる高校生活最後の1年


いつもと変わらない時間に自宅を出て、いつもと変わらない通学路を歩いていた


通学途中にある歩道橋にふと目をやると、地図を持って階段を下りて来る、同じ学校の女子の制服を着ている女の子がいた





(…見たことの無い顔だな。地図も持ってるし、あの子がみんな話していた転校生か?)





離任式の時に先生やクラスメイトが騒いでいたことが頭を過ぎる


『新3年生に転校生が来る』と





そんなことを思い出していたその時であった


その女子生徒が階段を踏み外して前に転落しそうであった















「Σあ…っ」


「Σ危ない!!」















とっさに歩道橋の下に走り込んで、落ちてきた彼女を自分の胸の中に受け止めた


受け止めた彼女は、自分の肩ぐらいまでしか身長がなく、その割には(…失礼かもしれないが)かなり体重が軽かった





(あ…危なかった)





「……っ、ぁ…れ??」


「大丈夫かい?」















これが、僕と君との出逢いで
最後の高校生活の始まりだった――…




















学校まで一緒に行く事になって、話しをしながらルウナと歩いた


なんだか、恥ずかしそうに赤く頬を染めたら、今度は不安そうな顔になる


だと思ったら次にパッと向日葵の様に明るい笑顔に変わった


その表情は豊かで、見ていて飽きない

















「うわぁ…!! おっきい学校だなー」















彼女の言葉に顔を上げると、すでに目的地の明星高校の校門前にいた





(…もう、着いてしまったのか)





何故だか、いつもより早く学校に到着した気がした


もっと時間をかけて歩けばよかったと思っている自分がいる





(この温かくて、でもどこか寂しい気持ちは一体…)





すると、ヒューストンはフレンを向いて頭を下げる















「シーフォ君のおかげで助かりました。本当にありがとうございました」


「僕も、君と話しながら登校して楽しかった。職員室までは大丈夫かい??」


「はい!! 校内図があるからバッチリです!!」














ブレザーのポケットから出したプリントをフレンに見せながら、胸を張って言う















「さっきは、地図を見てても通学路を迷ってた感じだったけど?」


「Σゔっ…。だ、大丈夫ですよ!! …多分;;;」















チョッとからかうように質問したら、ルウナはウーンと唸りながら校内図と睨めっこし始めた


そんな彼女を見たら、思わず笑みがこぼれた















「そっか。頑張って?」


「はい!…あ、あの……………」


「なんだい?」


「またお話しても…いいですか??」















少し頬を桜色に染めながら聞いてくる





(…まただ。不思議な気持ち……)





彼女への答えは1つだけ















「もちろん、僕でよければ」


「ふふっ、じゃあ失礼します!!」















フレンの言葉に嬉しそうに笑い、ヒューストンは校舎へ向かって歩き出した


そして、フレンもクラス発表の紙が貼ってある掲示板に向かって足を運んだ



… Next season …



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