短編

□ツンデレはお好きですか?
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ルーク達は旅の疲れを癒すことと、物資の補給を目的にケセドニアを訪れた

宿を取り、各自割り当てられた事を終えれば後は自由行動にしていいと言われたので、ルウナは自分に任された仕事――食材の買い出しに行こうと部屋を出る

今日の相部屋であるティアは、運よく当番から外れているが部屋にはいない

街でも見に行ったのかな、と思いながらルウナが宿を出ようとした時だった





「ルウナ!」





赤い髪をはねさせながらルークが駆け寄って来る





「買い出しに行くんだろ?俺も行く!」

「そう?じゃあ一緒に行こうか」





ルウナがそう返すと、ルークはハッとしたような顔をすると慌てて言った





「え〜と…。べ、別にお前と一緒に行きたいわけじゃないぞ!たまたま俺も道具屋に行かないといけないから、ついでに行くだけだからな!」

「………は?」





ルークの思いもよらない言葉にルウナは気の抜けた声を返すのだった










「ありがとうございましたー」





食材を購入し店を離れる

ルウナが荷物を抱えて歩いていると急に腕が軽くなった





「俺が持ってやるよ」





見ればルークが荷物を抱えている

食材の入っている荷物は嵩張るし重い

ルウナは素直に言葉に甘えることにした





「ありがと。助かるよ」

「………べ、別に、お前のためじゃないからな!」





ルークはまたしても不可解な言葉を言う。

しかも不自然な間を置いて。





「???」





ルウナの頭には疑問符が並んでいた。





「あー…それにしても、ここってホント暑いし乾燥してるよね…。喉渇いてきちゃった」





ルウナがパタパタと手で顔を煽ぎながら呟く

砂漠の近くにあり、常に砂ぼこりが舞うこの状況ではそれも仕方ないだろう

するとルークは不意にルウナから離れた

そして、しばらくするとジュースを二つ持って戻ってくる

どうやら露店で飲み物を買ってきてくれたらしい





「ほら。喉、渇いてたんだろ?」

「お、気が利くねえ♪ありがと」





ジュースを受け取りながらお礼を言うと、ルークはジュースを一口飲んだ後に慌てたように言った





「お、俺が飲みたいから買っただけだ!お前のはついでなんだからな!勘違いするなよ!」

「…あ、そう」





ジュースを啜りながら、ルウナはふと気付く





「…あれ、ルーク。道具屋に行くんだよね?もう通り過ぎてるけど?」





ルウナがそう言うと、ルークは困ったように眉を寄せた後にパッと閃いたように言った





「さ、散歩したい気分だったんだよ!それだけだぞ!別にお前ともっと一緒にいたいとか思ってなんかいないんだからな!」

「………そうですか」





ルウナは気付かれないように小さく溜め息をつく

気のせいかと思ったが、やはり気のせいではないようだ

ルークはさっきからツンデレの定番の台詞ばかり言っている



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