短編

□帝都の王子様!?A
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あたしの隣の席に座っているエステルが話し掛ける










「二人共、絶対手加減しないと思うのは、私だけでしょうか……」

「エステリーゼ様、あたしもそう思います…」

「…闘技場を壊さなきゃいいんだけど;;;」

「カロルくんの言うとおりだよ…」










そんな会話をしているうちに、すでに決勝戦は始まっていた










「ルウナとのデート権は僕が貰うよ」

「てめぇはきちんと仕事をしろ」










どちらも手を抜かず、互角な戦いであった

するとフレンはニヤニヤとしながら話しかけてきた










「君は、あの頃からルウナを独り占めしようとしてたよね??」

「…そういうフレンだって、俺とルウナの邪魔してたじゃねぇか」










すると、フレンは続けてハッキリとユーリに聞こえるように言う










「僕は、ずっとルウナを見てきた。昔も、今も。幼馴染みとしてじゃなく…一人の女性として」

「…………………………そか」

「ユーリもだろ?」

「俺?別に俺はそんなんじゃ、」

「じゃあ、この勝負…僕が勝って、ルウナとデートして…そこで告う」

「!!!」










フレンの言葉に、思わず怯んでしまった

その瞬間をフレンは見逃さなかった










「いいよね?」










フレンとルウナが…恋人同士になる?

ルウナが、誰かのモノになる?

んなこと、考えらんねえ





……あぁ、そうか

ガキだって、アイツに言ってたけど

―――…本当に『ガキ』なのは、俺か










「『断る』…って言ったら?」

「予想どおりだね」

「…ハッ、一気にいきますか!!」










気合いが入って二人は剣を交えている

…が、ルウナはなんだか見ていられない様子であった

小さい頃から二人が戦うのを見るのは嫌だった

それが稽古であっても、泣きながら止めに入って、二人を困らせた記憶がある










「やっぱり無理……ッ!」

「Σえっ、ルウナ!?」



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