Avenir-みらい-
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足が宙に浮いている
けど…あの世に向かうみたいに『天使の羽で身体がフワフワ〜』……っていう感覚ではない
何か…いや、誰かに支えられている感じ
「……ん…」
「お、目が覚めたか??」
ゆっくりと目を開くと目の前には長い黒髪から見える整った顔
それは昨日まで弟がやっていたTVゲームの主人公
「…!?」
ユーリ!!? え、嘘‥‥本物!!? それともそっくりさん!!?
それとも………
ただのヴェスペリアのヲタクの方?? ←え
ていうか…
「あたし…生きてる?? 事故に遭って…」
「事故…です?? 貴女は、空から降ってきたんですよ」
ユーリの隣からエステルが話す
それに気がついた紗紅は辺りを見渡してみた
自分の周りにはユーリやエステルの他にもカロルやリタ、レイヴン、ジュディス、さらにラピード
ヴェスペリアでお馴染みのキャラクターの顔が勢揃いしていた
パティは宝探しでもしにいったか‥‥‥?
さらに周りの景色は帰宅していた通学路ではなくとても見晴らしのよい草原である
今、あたしが考えていることは非現実的な事
もしかしたら夢を見ているのかもしれない
モノは試しに、と聞いてみた
「あの…聞いてもいいですか??」
「なんだ??」
「貴方はユーリ・ローウェルさんですか??」
「ああ、そうだけど」
「…………。」
………………まさか;;;
確認のために一人一人の顔を指差しながら聞いていく
「帝国のお姫様、エステリーゼ・シデス・ヒュラッセイン。元ギルド『魔狩りの剣』の一員、カロル・カペル。アスピオ在住の魔導師、リタ・モルディオ」
「「「!!?」」」
簡単なプロフィールとフルネームを言い当てられ、3人は驚いた
紗紅はさらに続ける
「ギルド『天を射る矢』幹部のレイヴン。クリティア族のジュディス。そしてユーリの相棒、ラピード」
見事に当たっていて聞いていたみんながア然としている
「もしかして、お嬢さん…俺様のファン??」
「余計な話を入れないで、おっさんは黙ってなさいよ!!!」
ツッコミを入れているレイヴンとリタのやり取りをみて若干苦笑するとユーリを見上げた
「当たって…ますか?;;;」
「…………あぁ」
ユーリはさっきとは打って変わって怪しげな瞳で黒崎を見ている
そしてあたしは確信した
あたし、黒崎 紗紅は『テイルズ オブ ヴェスペリア』という『ゲーム』の世界にトリップしてしまったという事を
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