Avenir-みらい-

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「はぁ‥‥っ‥‥はぁ‥‥っ」

「さぁ、もう限界でしょう。参りましょう、ルミナス様」

「その名前で‥‥っあたしを‥‥呼ばないで!! 言ってるでしょ、あたしは紗紅だって!!」










あたし達は、月雅一族の奴らと攻防を繰り広げていた

目の前には二人、残りはユーリが引き受けている

ユーリは既に何人か倒していたが、流石にキツそうだ










「貴女はもう疲れて闘える状態ではありません。諦めてください」

「嘗めないでもらえる!!? ルミナンサイス!!!」










紗紅が術名を述べた瞬間、光りが聖霊を呼び出し、一族を攻撃した

ダメージを与えることができ、目の前の敵が少し怯んだと思ったその時だった










「‥‥前ばかりを見ていてはイケませんよ、紗紅様」

「なっ‥‥ぅっ」










後ろから、もう一人の敵に気がつかなかった

剣どうしのキィーンと言う音がしたと思ったら、手に握っていたエストックは弾き飛ばされ、一気に身体が拘束されてしまったのだ










「いやッ、放してよ!!」

「やはり貴女様と言えども、女子供にはかわりありません。月雅様もお待ちだ、諦めてください」

「行かないわ、ん゙ん゙!?」










口まで塞がれ、術も言えない

すると、先程の叫び声が聞こえたのか、ユーリがこちらに向かって走ってきた










「紗紅っ!!!!」

「んーん!!!!!」
(ユーリ!!!!!)


「おっと、それ以上近づいてみろ。大事な子がどうなってもいいのか?その剣、捨ててもらおうか」










そう言って、紗紅の後ろに控えてたもう一人の月雅一族の男は、彼女の首筋にピトっと冷たい刃物が当てられる

チッ、と舌打ちしたユーリはグッと踏み止まり、持っていた剣を地面へ落とした

それを見た紗紅を拘束している男はニヤリと笑う










「やっちまえぇ!!!!!!!」

「うあ゙っ!!?」

「ん゙ーーん゙ーー!!!!!」










あたしの目の前で、無残にも攻撃を喰らう彼の姿

『あたしも『凛々の明星』の一員なんだから。守ってもらうだけなんて、嫌だもん』

なんて言ったくせに...

結果的に、また『守ッテモラッタ』

むしろ『仲間ヲ傷ツケテイル』

チョッと術が使えたからって、剣ができるようになったからって‥‥あたし調子にのってた










「心配、すんな‥‥紗紅」

「!!!」

「すぐ‥‥アイツ等が、来っから‥‥ゔッ!?」

「こんな森ん中、誰も来ねぇよ‥‥なぁ、紗紅様?」

「‥‥‥ッ!!!!」










刃先があたしの頬を軽く傷つけ、紅い液体が刃、柄を伝い地を濡らす

紗紅に向かって笑って見せるが苦しそうなユーリは、ボロボロで立っているのがやっとの状態

自らの頬を伝う涙












恐イ


殺サレル


誰カ


助ケテ















「ホーリィランス!!!」

「ぬあぁッ!?!?」

「わ‥‥っ」










背後から聞こえた声と同時に、隣で苦痛の叫びを上げたと同時に、押さえていた手が離れ、体重が前方に偏り、バランスが崩れる

転ぶと覚悟していたが、倒れると同時にフワリと抱き留められた

あたしは、その人物を見て見て驚いた

綺麗な金髪、優しく見つめる蒼い瞳‥‥










「大丈夫かい?」

「あ、はいっ」

「そう、よかった。‥‥手を貸そうか、ユーリ?」










ポーカーフェースでユーリに向かって『キュア』の治癒術をかける

ある程度回復したユーリは、地に投げ捨てた自らの剣を広い、彼に向かって憎まれ口をたたく










「お前に貸しをつくるのは、あんまいい気分じゃねぇな」

「期待しないでおくよ」

「あと少し待っとけ黒崎。‥‥一気に飛ばすぞ、フレン!!」

「あぁ!!」





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