Iris

□第1章 << 迷宮アモン編 >>
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「着いたぞ ここだっ!」

「えっ!? ‥‥‥近いじゃないか!!」

「遠いとは言ってないだろ」










アリババ、アラジン、あたしの三人は、第7迷宮 アモン の目の前まで来ていた

まぁ、家から10分ぐらいしか歩いていないが










「うわ〜ッ、いっつも目の前通るけど、いざ行こうと思うとワクワクする!!」

「リルさんは、怖くないのかい?」

「ん〜、若干こわいよ。でも、どっちかって言ったら楽しみの方が大きい!」

「強いんだね、リルさん」

「‥‥そんなことないよ。‥‥‥‥あれ、アリババ?」










アラジンと盛り上がっていた最中、アリババは難しそうな顔をしている彼の姿があった

するとそれを見たアラジンは、いきなりはしゃぎながら迷宮の聖門前の階段を昇りだした










「大丈夫!怖がらないでよ、アリババくん!これは死への階段なんかじゃないよ‥‥」










そういって、スッと片手を差し出し、片手を天高く指した










「君の夢へと、つながる道だよ!」










そう言われたアリババは、ポカンとした顔で話しを聞き、シェリルの顔を見た

あたしは何も言わずに、ただ笑って見せた

すると、彼にもハツラツとしたように瞳を輝かせた










「よーし、行くぞっっ!!」










気合いを再注入してレッツゴー!!!!!!

一気に階段を駆け上がって

‥‥‥からのUターン、陸地に戻った










「なんで戻るの!!?」

「すぐ行くとは言ってないだろ。『迷宮攻略』は準備が大事なんだよ。まずは買い出しに行こうぜ!」

「え〜〜‥‥」









アラジンは少しふて腐れたような表情をして見せた

こう見ると、先程勇気ずけたとは思えない、普通の少年だ










「仕方ないよ。行こ、アラジン」

「うん!」










出したあたしの手をギュッと握り締め、並んで歩きだした















…☆…















「まいどあり――!!」

「どーもー」










あたしが武器屋で購入したのは、弓矢

王宮にいた頃、幼いときから王宮に伝わる多くの武術を叩き込まれた

剣や体術などあったが、中でも得意だったのが、弓を使い、矢で狙い撃つこと―― 弓術 ――だった

迷宮生物が出ると言うし、備えておいて損はないだろうと思って久しぶりにそれに手を触れた










「ワ〜〜〜‥‥」

「ヤメロ!危ねーよ!!」

「‥‥‥はぁ;」










あたしの隣では、なんだか妙に厳つくてごっつい剣を持ってヨロヨロとしているアラジンと、それを避けて後ろに下がるアリババの姿

‥‥とても今から迷宮攻略に行くとは思えない;

後ろに下がったアリババの背後に、果物を運んでいる少女がいた











「‥‥あ!アリババ後ろっ」

「えっ、おわっ!!??」










ドンっと鈍い音がなったと思った時には既に遅かった

アリババと少女が衝突してしまい転んだあげく、持っていた果物をばら蒔いた









「だから言っただろっっ!!」

「ご、ごめんよ〜〜〜〜‥‥‥」

「もー‥‥君、大丈夫?」










あたしは少女に向かって手を差し出した

彼女はキョトンとしていたが、そのあと手を握り立ち上がった

綺麗な赤い髪、整った顔は綺麗と言うよりは可愛らしい、という印象が大きかった










「‥‥‥‥ありがとう‥‥ございます」

「怪我はない?」

「はい」

「そっか、よかった。はい、これ」










転がってしまった果物を渡すと、軽く会釈をした










「ほら、二人共謝る!」

「おねえさん、ごめんよ〜〜‥‥」

(おっ、かわいい子!)
「ゴッメンネ〜!! うちのバカが‥‥ ケガはない?荷物、運ぼっか??」

「いえ、いいんで・・・」










そう告げると、再び歩きはじめた

アリババが「やっぱかわいくねぇ‥‥」とボソッと言う横で、アラジンが少女のことをじっと見ていた










「どうした、アラジン?」

「うん‥‥アレ‥‥」










少女の足元を指差しているアラジン

そこを見てみると、細い足首を繋げている鈍く光る鉄の鎖

そう『奴隷』の証

少女はバツが悪そうに顔を赤く染め、服で急いでそれを隠そうとした瞬間、持っていた果物の籠をひっくり返してしまった










「わっ、大丈夫!!?」

「〜〜〜〜〜〜ッ、」










思わず、助けに行ったシェリル

人を『物』として使わすなんて‥‥許せない

すると、アラジンが少女に向かって「まって、おねえさん!」と言いながら、小走りで向かってきた

すると、アラジンの笛――ジンの金属器――を手に持ち、息を大きく吸い込んだ‥‥‥‥次の瞬間

アラジンが勢いよく笛を吹いたと同時に、バキンっという音が鳴り響き、少女の足首の鎖が壊れていた










「ア、アラジン!!?」

「ハイ、とれたよ!これでおねえさん、きれいな足を隠さずに歩けるね!」

「‥‥‥‥‥!」










ニコニコと笑うアラジンに対して、驚く少女と顔を青ざめるアリババ

それも仕方がない

アラジンが行ってしまった、『奴隷の鎖を勝手に解く』という行為

それは『重罪』に当たる、やってはいけない行為であった





*

モルさーん!!
やっと出せたー(^^)

新しいアニメのOP、
白龍がいっぱい出てて
うれしいわ〜♪




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