Iris
□第1章 << 迷宮アモン編 >>
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な、ななな、なんで‥‥‥
アリババがいるの!!?
シェリルがいるんだ!!?
お互い、顔を見てボー然としていた
すると、一人の女性がシェリルと肩を組んで、覗き込むようにアリババを見た
「ごめんねぇ。この子、今日が初めてのお仕事だから、緊張してるのよ。あたしの友達だから、大目に見てくれるかなぁ?」
「あ‥‥はい」
「ちょぉッ‥‥!!?」
「よかったぁ♪ じゃあね、リル。頑張って??」
そう言って、女性は去っていった
‥‥取りあえず、突っ立っていてもしょうがない
失礼します、と言ってアリババの前にひざ立ちになった
(接待の仕方らしい‥‥)
アリババを見上げる状態になった
(あ゙〜〜〜ッ、最悪‥‥)
一方のアリババ‥‥目の前のシェリルの姿にどぎまぎ
シェリルを見下ろす形である
(い‥‥いろいろと‥‥マズイんだが‥‥)
上目遣い、ちらりと見える胸の谷間‥‥
(あ、相手は妹だぞ!? い・も・う・と!!!!)
「‥‥さっきの、」
「え?」
「肩組んできた子の手伝いだったの。まさか、こんな仕事だとは思わなかった。‥‥知ってたら、引き受けなかったし」
「リル‥‥‥」
「んで? アリババ達は、なんでここに‥‥?」
それは‥‥と言って、とある人物を指差す
その先を見てみると‥‥
満面の笑みで、美女と戯れている(?)アラジンの姿
「‥‥コイツの機嫌とり」
「‥‥‥。なんか、納得」
呆れ顔でアラジンを見るシェリル
まぁ‥‥あんなことされたから、納得もするのだろう
「‥‥とう」
「ん?」
「ありがと‥‥」
「‥‥‥‥‥‥‥‥‥ナンデ??」
感謝されることなんて、なーんにもしてないぞ!?
逆に、こんな所に来てフツーは怒るところだよな 汗
「アリババじゃなきゃ‥‥他の男に何されてたことか。だから‥‥ありがとう」
「―――‥‥!!!」
気がついたときには、視界から彼女が消えてた
かと思ったら、鼻孔をくすぐる彼女特有の甘い匂い
首に回された細い腕
「な‥‥っ‥‥‥シェリル!?///」
「え‥‥んぎよ、演技!!! そ、そろそろ、話してるだけなんて、変に思われちゃうじゃん!! アリババも、合わせて!!!///」
「合わせるったって‥‥‥‥こ、こう‥‥か??」
周りがどのようにやっているかを確認し、アリババも手を伸ばし、そっと抱きしめ返してきた
その手は思っていた以上に大きくて、力強くて‥‥でも同時に、優しくて温かい‥‥
落ち着く気がした
「さー、お待ちかねのサービスタイムでーす。皆さん楽しんでくださいね〜〜〜!!」
スタッフの男性が大きな声で叫んだ
(サ‥‥サービス!!?)
その言葉を聞いて、アリババは頭の中で、良からぬ想像をしていた
「リル、その‥‥えと、サービスって‥‥」
「安心して、アリババ‥‥」
スッと彼女との距離が離される
すると、シェリルはニッコリと笑った
「アルバイトはサービスタイム、できないことになってるの」
「そ、そうなのか‥‥」
「じゃあね、お兄様。よろしくお願いします、エリザベスさん」
そういいながら、手を振ったシェリル
我が妹ながら‥‥‥‥可愛かったな‥‥ ←
考えてる中、入れ換えで誰かが隣に座ってきた
その人の姿を見て、アリババは目を見開いた
「エリザベスでございます」
「‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥。」
こ‥‥‥‥‥これ、女か!!?
そう思っていると、控え室に戻ろうとしているシェリルの姿が目に入る
彼女は、ニヤニヤ笑いながら手を振って何かを口パクで伝えてきた
「( ざ・ま・あ・み・ろ・バ・カ )」
「な゙ぁッ!!!!?」
(コイツが来るって知ってたな!!!!)
こ、来なくていいって
う、うあぁあぁぁあぁ〜〜〜‥‥‥‥‥
この後、彼がどうなったかを知るのはアリババのみであった 笑
「『笑』じゃねーよッ!! そう言えば、リルが『お兄様』なんて使うのは、怒ってる時か何か企んでる時しかねーの忘れてた‥‥」