Iris

□第1章 << 迷宮アモン編 >>
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「――ってのが『第一の迷宮』と、それを完全攻略した少年の話しさ。少年はそのまま王様になっちまったんだぜ〜!いいよな〜、スッゲ〜よな〜、憧れるよな〜!」










なーんて力説しているのは、アリババ

その話をキラキラした瞳で聞いているのは、アラジン

呆れながら聞いていたのは、シェリル

だって、それは本の話しであって、実際、その『少年』と呼ばれる人物は‥‥










「酒癖の悪い、お兄ちゃんって感じなんだけどなぁ‥‥」

「なんで、そんなこと知ってんだ?」

「ん?昔よく遊んでもらた。シンは、あたし知り合いだよ??」

「な、なにぃ―――――――――――!!!??」

「アリババくん‥‥耳が‥‥キーンって‥‥;」










そんな驚く?なんて聞くと、当たり前だ!と即答された










「俺、会ったことないぞ!!?」

「ん〜、最後に会ったのは‥‥。あ、そーだ!丁度アリババと初めて会った時の、前の日だったな」

「え゙!? じゃあ、俺も会えたかもしんねぇのか??」

「だって、その頃は勉強漬けだったじゃん」

「うぁ〜‥‥マジかよ〜」










はぁ〜‥‥って溜息をするほど??

会ったことがないから‥‥会ったら、子供の夢を壊しそうだな

って、その話しでなくて‥‥‥










「そんなんじゃ、迷宮攻略できないよ??」

「は!! そうだよな!! ‥‥って、リルも行く気なのか?」

「当たり前じゃん。ね〜、アラジン?」










驚くアリババをほって置こう

絶対に『危ないから待ってろ』
   『お前を、傷つけたくねぇ』のどっちか

あたしはガキじゃないっつーの!!!










「うん!仲間は多い方がいいよねぇ」

「だよねー?アラジンは分かってるなぁ」

「えへへー」照

「おま‥‥迷宮なんだぞ!!? 行ったら戻って来れないかもしれないんだぞ!!!」










アリババは、怒鳴ってきた

久しぶりに見たな、こんなに怒ってんの

でも、あたしの気持ちは変わらない

あたしも‥‥‥‥‥











「あたしも、迷宮見てみたい!!」

「あのな〜‥‥」

「あたしも闘えるし、迷宮が危険なのだって知ってる!! だから、アリババとアラジンだけ行くなんて、心配なんだよ!」

「リルさん‥‥‥」
「リル‥‥‥」










一度入ったら、戻ってこれない『死の穴』‥‥

そんな所に、二人を‥‥アリババを行かせる訳にはいかない

あたしにとって、アリババは―――――‥‥‥










「大事な‥‥家族‥‥だからっ‥‥」










あたしにとっての『家族』

――――――‥‥‥今は『彼』だけ










「‥‥‥‥。」

「‥‥‥わかったよ。そのかわり‥‥」

「『俺が守るから』‥‥でしょ??」










図星だったのか、微笑むシェリルを見て目を大きく開いた

わかってんじゃんか、と言って頭をワシャワシャと手を乗せた










「ちょ‥‥、子供扱いしないでよ!」

「うるせえ、‥‥約束、だからな!!」

「僕も、リルさんを守るよ!!」

「ありがと、アラジン。アリババ。‥‥さぁ、攻略しに行きますかぁ!」










武器を持って、準備万端

いよいよ‥‥!! 迷宮だ!!











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