短編

□オワリハジマリ
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「あ!ルウナー!」

「あれエル、ルドガー?どうしたの?クランスピア社にいるんじゃなかったの?」





そんな笑顔でいつものように笑うキミがいる





「いや、はやく終わったんだよ」

「あ、そーなの?じゃ、一緒にマンションまで行こ!」





そんな世界を、今から消す





「最近、分史世界のお仕事こないねー。ベル達苦戦してるのかな?」

「そうなんじゃないか?まぁ、俺的にはその方がありがたいけど」

「そうだよね、いくら分史世界でも…" 世界を消す "なんて辛すぎるもん」

「………っ」





正史世界も分史世界も関係ない

キミはキミのままで、何も変わらない





「ねぇ、ルドガー…ルウナのペンダント…」

「あぁ、時歪の因子だ」





今回の時歪の因子…ペンダントは俺が誕生日に贈ったもの

それが時歪の因子で、ここが" 分史世界 "だと知ったら彼女は、どう思うだろうか





「…ルドガー?どうしたの、そんな浮かない顔しちゃって」

「いや…別に…」

「…そう、ならいいけど」





先を歩くキミの小さな背中が可愛らしくて、愛おしくて…

でも、それでも…この世界は……





「…ごめん、ルウナ」

「え?なに…が…」





骸殻姿の俺を見てキミは悲しそうな、泣きそうな表情





「ルウナ、あのね、ここはエル達の世界じゃなくて…」

「" 分史世界 "…なのか。あたしがが時歪の因子?」

「いや、お前のペンダントだ」

「そう…か…。お気に入りだったんだけどな〜」





辛いだろうに、笑顔で答えるキミ






「ごめん……」

「そんな……泣きそうな声で言わないで?」





そう言うと、フワッと彼女の甘い香りが俺の身体を包み込んだ

俺の胸の辺りに己の顔をうずめ混んだ





「…ねぇ、ルドガー?ひとつだけ、わがまま言ってもいいかな…」

「あぁ、」

「ルドガー。幸せになってね。あんまり無理しちゃダメだよ?」

「……っ!このバカ…!」





ルウナは強いな

なんで笑顔で言えるんだ?

今から消えてしまうのに…

俺なんて気にしなくていいのに…

俺はそっと離れ、彼女の唇と己のものを引き合わせた




「絶対…絶対、あっちの世界のお前を幸せにしてやるからな…」

「…!うん、待ってるね」




そして、槍がペンダントを貫き、その世界は彼女の笑顔と共にキラキラと砕け散って行った










オワリハジマリ










「おー。エル、ルドガーお帰りー」

「あのね、ルウナはルドガーが結婚して幸せにしてあげるんだって!」

「はい?」

「ちょ、こら!エル!///」

「ルドガー。あたしは、そのつもりだったよ?」

「え…っ」






どうも。お久しぶりです。
全く動きを見せなくて、すいませんでした!

思った以上に大学生活が忙しくて…汗

できる限り更新していきたいと思うので、どうか暖かい目で見守っていただければと思います。




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