短編
□first love 1
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… side ルウナ …
親の転勤から、また生まれ育った町に戻ってきた
6年ぶりに見た町並みは若干変わっていたが、雰囲気は昔のままだ
明星高校の新しい制服に腕を通し、張り切って新しい高校に向かおう!! …と、意気込んだまでは良いのだが…………
「あっれー…。この辺じゃなかったんだっけか?」
地図を片手にクルクルと回しながら、歩道橋を渡っていた
あたしの記憶が正しければ…ここを渡って右に…
そう思いながら、地図に気を取られた時であった
下りていた歩道橋の一段を踏み外して全体重が前にかかりった
「Σあ…っ
(落ちる!!!!!)」
自分ではもうすでにどうしようもない状態
……あぁ、転校初日で落ちて骨折か
などと重力に身を委ねて落ちながら、どーしよーもない事を思いつくアタシって何?ww
しかし、地面にたたき付けられるどころか、ふわりと受け止められた感覚
「……っ、ぁ…れ??」
「大丈夫かい?」
声が聞こえた頭上を見ると、金色の短髪で碧い瞳の同じ歳ぐらいの男のコだった
「だ…大丈夫です」
「そう、よかった」
そういうと、目を細めて笑った
うわぁ…こーゆーのをイケメンっていうんだろうなぁ
すると男のコは少し首を傾げて心配そうな表情になる
「本当に平気?もしかして、捻挫とかしたんじゃ…」
「え??」
彼の言葉で、今の状況を知った
@彼に抱きしめられている
A彼に向かって体重をかけていて、身体を預けている
全てを理解して、一気に顔に熱が集まってくる
「Σご、ごごごめんなさい!! 大丈夫デスっ/// そ…それより……」
「?」
「お…重かった…ですよね??;;;」
おもいっきり体重をかけちゃったんだよね…;;;
ダイエットしとけばよかった〜
「むしろその逆だよ、軽すぎて驚いた」
「そ…そうでしょうか…?」
「うん」
「あ…ありがとうございます///」
彼は、そういって微笑む
優しい人だなぁ〜
「見たことない顔だけど…もしかして転校生?」
「ぁ…はい、そうです」
「やっぱり。僕も君と同じ明星高校なんだ。学校まで案内するよ」
「いいんですか!? ありがとうございます!!」
よかった〜…初日から登校できないんじゃないかと思った
「自己紹介がまだだったね。僕は3年のフレン、フレン・シーフォ。よろしく」
「ルウナ・ヒューストン。あたしも3年です」
「同じクラスになれるといいね」
「そうですね」
小さく笑いながら、2人は学校へ向かった
これが、あたしと貴方との出逢いで
最後の高校生活の始まりであった――…
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