旅団

□いってきます
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レイチェルへの不安な気持ちは仕事が始まると同時に消えた

身支度がおわり部屋から出てきたレイチェルの顔はとても落ち着いていた

黒の袖無しのシャツに、だぼっとしたパンツにブーツ そして黒いマスクが顔の半分を覆う


フェイタンと並ぶと二人とも真っ黒で
このまま街に出たら犯罪者だと思われるだろう
…まぁ、間違ってはいないのだが


「あんた、またそのピアス付けてくの?」

『うん おまもりー』

にこっと笑って耳のピアス見せる
仕事のときは必ず付けているピアス
旅団結成時からだろうか、いつの間にか それをつけるようになっていた。


「まったく、団長に怒られるよ?」

『しらなーい』

そのピアスは少し特徴的で深い紺色の細長い石が片耳に二つ並んでいる
動くと高く綺麗な音を出すため敵に場所を教えるのと同じだ、とクロロははずすように言うがレイチェルはそれだけは聞き入れなかった

『マチお願いー 黙ってて!』

「…しょうがない」


いつもの様に笑って話すレイチェル

見た目は何も変わらない
しかし…
明るいあのオレンジ色のオーラのなかに冷静で暗く静かな青いオーラが影に潜んでいる


久々の仕事前のレイチェルを見て
あの幻影旅団でさえも息を飲んだ

『行ってきます』

にこっと笑い誰に言うわけでもなく呟いた声はホームの中へと悲しく響いた
 

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