オリジナル
□はっぴーばれんたいん!!
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今日は2月14日
女の子が好きな人にチョコを贈るという日である
それがたとえお菓子会社の陰謀だろうとも、女の子たちが勇気をだせるきっかけとなる大切なイベントなのだ
それはたとえ結婚していようとも変わらない
愛する人に日ごろの感謝もこめて贈るのだ
ここ黒澤家も奥様も娘とともに愛する夫のため、せっせとお菓子つくりである
「よしっ!!準備ばんたん、作るぞ!!」
「つくるぞー!!」
台所の机の上には、雛が準備した道具と材料が揃えられていた
「まずは計量だね」
近くにあったグラニュー糖を取って、はかりの上に乗せる
「これくらいかな・・・」
すべてはかり終え次はくるみを刻む
これは、まだ幼いとはいえ、包丁になれるのも大事だろうと、愛璃にやらせた
なれていないため、とても危なっかしい
雛は怪我をしないかひやひやとしなが見ていた
なんとか、くるみを刻む作業が終わりその後はボールの中にバターを入れて混ぜてさらにグラニュー糖、卵を加え、薄力粉とココアをふるいにかける
「私もやりたーい!!」
雛がやっていると愛璃が横からひょこと顔を出して言った
「横側をたたいてやるのよ」
ふるいを渡しながら教えてやる
愛璃は気合を入れ、思いっきりふるいをたたいた
ぼふっ!!
白と茶色の粉が愛璃の顔に正面からかかる
「きゃー!!愛璃が白く・・・いや、ちょっと茶色も混じってる・・・」
「ほえ・・・ごっほごほっ!!」
「と、とりあえず、おふろ〜!!」
雛は慌てて愛璃を抱えてお風呂場に直行するのであった
しきり直して、もう一度ふるい始めた
「そうそう、そんな感じでいいよ」
幸い今度はさっきのようなことにはならずにすんだ
「ママー、出来た♪」
「は〜い、ありがとう。あとはこれで混ぜてね」
「は〜い」
ふるった粉と生地を混ぜてトレーに流し込んで
「あとは焼くだけ♪」
「綺麗に出来るかな??」
「愛璃があれだけ頑張ったんだもの、きっと上手く出来るわ」
それから15分後・・・
「とりあえず、くるみを乗せましょうか」
「はーい」
「くるみを乗せたらまた焼くからね」
乗せ終わり、再びオーブンの中に入れて待つこと10分
ピーピーピー
「!!・・・できた!!」
焼けたことを告げる音がして愛璃は一目散に駆け出す
「ママ!!できたよ!!」
瞳をキラキラさせて、はやく出して欲しいと訴えてくる
「今行くから、ちょっと待って」
雛はくすりと笑いながら、ミトンを手にはめてトレーを取り出した
「わぁー!!いい匂い!!」
「美味しそうに焼けたね!!」
「ねぇねぇ、これ、食べてもいい?」
「まだ待ってね。パパの分取ったらいいよ」
悠斗の分だけを取り可愛らしい茶色にピンクの水玉の袋に入れ、最後に白色のリボンをかけて
「これで、バレンタインのチョコは完璧!!愛璃もできた?」
横で袋に詰めていた愛璃前には二つの袋が置かれていた
「愛璃、他にも誰かにあげるの?」
「んー内緒!!」
それから、何度聞いても誰にあげるのか教えてはくれなかった