氷の指輪

□第10話
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あの後すぐにリクオはやって来て
2人して笑いあっている姿にしばし呆然としてから、何故そんなにも笑っているのかと聞いたが、答えてはくれなかった


それから、3人は学校を出た
他愛もない話しをしながら歩き、カナと別れるところまで来た

「じゃ、また明日ね〜」
「うん、じゃあね」
「・・・また明日」

そして、リクオとつららは2人になった
途端に空気はさっきまでの楽しい感じとは異なり重くなる

(ちゃんと言わないと・・・)

隣を歩くたつららをちらりと見る
その姿は前と同じように、ひたすら前を見ている
しかし、まとう空気は前となにか違う気がした
まるで発表前で緊張しているみたいな・・・
すると急につららがこちらを向いて、ばっと頭を下げてきた

「この間はごめんなさい!!」
「へ?」

リクオはなにが起きたのかと呆然としてしまう
それから、彼女の言ったこと理解して、慌てる

「え、えええっ!?いや、待ってよ、この間のは悪かったのは僕だから・・・その、ごめん!!」

リクオも頭を下げた
しばし、2人の間は沈黙に包まれた
おそるおそる2人とも顔あげる
すると突然つらら笑い出す

「・・・ごめんなさい、突然笑ったりして。だって、なんかおかしくて・・・」

制服の袖のところで口を隠して笑う
リクオもつられるように笑い出す
茜色に染まる空の下、2人ははしばらく笑いあっていた
正直なにが面白いのか分からなかった、なぜか笑えてきて、僕達はいつまでも笑っていた

「はぁ・・・なんでかすごく笑っちゃいました」
「なんでだろうね・・・」

リクオもつららもこんなに笑うのは久しぶりであった
リクオは先程笑ったことでうやむやになってしまったことをちゃんと言うべく再び口を開いた

「とりあえず、あの時は本当にごめん」

そういって改めて頭を下げた

「そんな、もういいですよ。気にしないでください。私も悪かったですから・・・」

リクオが頭をあげると、にっこり笑うつららの姿があった

「あの時はどっちも悪かったということで、ここでこの話はやめにしませんか?」
「・・・そうだね・・・」

そう言うと2人はあらためて握手をかわした

「・・・あらためるのもなんだけど、よろしく」
「はい、こちらこそ、よろしくお願いします」

そうやって、僕達はようやく始まった



to be continue・・・
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