氷の指輪
□第2話
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あれから10年
もらった指輪はずっと僕の首にネックレスとしてかけられている
もらった時から今まで溶けることなくずっとかかっている
あの公園にも、少女と別れたあの日から毎日通っているが、一度も会えたことはない
リクオも明日から高校生だ
もうそろそろケジメをつけないといけないだろう
ここに来るのも今日で最後にしようと思っていた
少女のことはとても悲しいが、いいかげん諦めなくてはいけなだろう
しかし、僕は出会ってしまった
あの日と同じように向かっていた
その時一瞬だけ見えた
あの時と同じ白い少女
気づけば走り出していた
もしかしたらあの子かもしれない
そんな期待を抱いて
リクオが着いたと同時に少女が振り返る
その少女はリクオの記憶のなかのあの少女とは少し違っていた
少女は着物ではなく白いワンピースを着ていた
そして、その瞳は人ならざる黄金ではなく藍色だった
だけどリクオはあの時の少女だと思った
嬉しかった
ずっと会いたかった少女に会えたのだから
「雪・・・」
そう言いかけたときだった
「あなた誰ですか」