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□隣で微笑んでくれる君が好き
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隣で微笑んでくれる君が好き
(前作・僕のそばに居ない君・・・の続編)

  僕の隣で君は笑う

リクオと側近兼護衛だった雪女は今、リクオの婚約者となった。

二人は仲良く手を取り合い学校にと行った。

「おはよう!カナちゃん!」

「おはようございます!家長さん!」

リクオとつららが仲良くカナに挨拶をした。
カナも
「おはよう、リクオ君及川さん」

そう言うとふっとリクオの手を見た。
リクオとつららは「?」を頭に浮かばせ、カナが言った

「何で、手繋いでるの?」

前までは…つららが居なくなる前はそんな事無かった。とカナが言うとつららがほんのりと頬を赤にと染め上げる。


「良いじゃないですか!ずっと会えなかったんですから!毎朝学校で会ってる家長さんに関係無いわ!」
さっきまでの明るい声と優しい顔はどこに行ったのやら…リクオは苦笑で誤魔化す。
カナは
「そうだけど…それとこれとは別よ!!」
納得はするが認めたくない。
ただの嫉妬だってカナは分かっていた。

「いい加減、諦めたらどうなの…?」
リクオには聞こえないようにカナに言う。

「べっ…!別に及川さんには…!」

「それと同じでしょ?人の恋路を邪魔する事は他人には出来ないのよ?」

“他人”“恋路”カナに突き刺る言葉だった。確かにそうだけど、同じ人を好きになった。付き合ってるなら邪魔はしないで応援はしたい。
でも付き合ってないのなら、そう思った。

リクオは顔色が少し悪くなったカナに
「カナちゃん?大丈夫?」

「…うん」
誰にでも比べなく接するリクオの優しさが心に染みて、今にも涙があふれそうだった。
つららも少し言い過ぎた、と思ったのか
「でも、恋愛ってものはライバルがいないとつまらないわ」
“ライバル”つららの恋のライバルはいつもカナだった。
カナは
「そうだね」
笑うように言葉を返す。リクオはさっきから何の話をしているのか分からないし理解も出来ない。でも一つだけ分かったことがある。


つららとカナが少しはお互いを認め合い仲良くなった事だった。

「ほら!二人とも学校行こう!」
遅刻しちゃうから、とリクオが二人の腕を取る。
つららとカナは顔を赤くしお互い顔を見合わせると少し頬笑み

「うん!」
「はい!」
二人の元気で明るい声が響く。

三人は仲良く学校に登校した日は
雲一つない晴天の良き日だった―――。



end
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