太陽と僕
□僕
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目の前に広がるのは闇
光なんてものは何処にもなくて
僕の姿は
僕も知らない
存在しているのかさえも
分からない
***
ある日、赤く輝くあの人がやってきた
あの人は僕よりもずっと大きくて、自分の力で輝いていた
闇を寄せ付けない真っ赤な光
それは僕も照らしてくれた
「ねぇ、君はどうしてそんなに大きくて綺麗なの?」
勇気を出して話しかけてみた
「綺麗か…?気づいた時からこの姿だったから自分ではよく分からない」
「綺麗だよ!‥ふふっなんかカッコいいね」
***
俺は沢山のものを壊してきた
仲良くなった奴も、俺が近づくと死んでしまった
どうしてこんな姿で生まれてきたんだろう
もうこれ以上悲しい想いはしたくない
大切なものを失いたくない
だがこの世界を創ったあの人はこう言った
『お前が死を迎えたとき、世界は終わる』
俺がこの世界のすべてだと
俺がこの世界の君主だと…