おお振り(小説)

□‐弱い人‐
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「…阿部?」

そう君は、


‐弱い人‐



オレと阿部は同棲している。

阿部は大学生で、オレは…
ホントなら専門学生だ。
調理の専門学校の。

けど、学校へ通っていない。


理由は…阿部だ。



阿部がおかしくなったのは、いつだっただろう。


オレが事故にあって3日間、目を覚まさなかった時からかな…


だから阿部がおかしくなったのは、オレのせい。


だからオレは阿部が望むままのことをしている。


阿部が、オレが死ぬことを望めば

オレは自ら命を絶つ。


幸い阿部はオレが死ぬ事は望んで無いようだ。


阿部が望む事。
それは、

オレ自身。

だからオレはここにいる。

もう何日も家から出ていない。


大学から帰って来た阿部はまず、オレの居る部屋に来る。

オレが監禁されてる部屋に。

そしてオレを見て、安心したような、泣きそうな顔をする。

あぁ…あべ、
泣かないで。

オレはここにいるよ。

何処にも行かない。


だからそんな顔しないで。








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