情熱の扱い方〜前編〜

□日照り女VS雨男
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服は・・・・・・着ているよね。

自分の体中をペタペタ触ってみる。

カットソーとグレーのパンツ。
パンツって言っても下着じゃなくて、もちろんズボンのほう!

起きてみたらあり得ないことになっていて、一通りの驚き方をして、一通りの考えを巡らせて・・・・・・今に至る。

私の足下には、収納の棚から下ろしたらしいクリーム色の毛布に包まった人間。
たぶん、男性。
そして、その体積から推測するに、たぶん、後輩君。
カーテンが半分閉まっているし、外はまだほの暗くてよく分からないけど。


例の盲腸人間(盲腸になった関西採用担当者)が滞在先のホテルだけはしっかり選んだようで、私もヤツもダブルルームに泊まっていた。
だから、そりゃ、二人でも伸び伸び眠れる・・・・・・いやいや、そういう問題じゃないって。


どうしてこやつと一緒に寝ているんだろう・・・・・・?


昨日は金曜日。
一連の説明会が終わり、筆記試験と一次面接の準備を終えた。

あとは、月曜日に会議で報告して横浜に帰るばかり。
やっと落ち着けると思ったら、全く落ち着かない。

思い出せない。

支社在籍の担当者に引き継ぐのに昨日は緊張して、でも、問題なく引継ぎが終わり、大阪城公園のちょっとだけ咲き始めた桜を見て、造幣局のまだ咲いていない桜を見てから、その近くで関係者の飲み会に出て・・・・・・。

ああ、そうだ。

京都戻ってからバーに行って、深夜まで飲んでいたんだ。

あれ?
記憶がない。
どうやって戻ってきたんだっけ?
ていうか、果たして戻って来れたのか?
昨日はすごく眠かった気がする。

ここは、どこだ?
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