情熱の扱い方〜前編〜

□男前!!でも、オンナノコ
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新月の願い事って、凄まじい。
キョウコさんには言いたくないけど、スゴイ。

ホント。
ムカつくくらいに。

「宮井さ〜ん。もう、早くしないと説明会間に合いませんよ〜。」

これは後輩君の声。
ヤツは関西の新卒採用キャラバンのまっただ中。

その後輩君が私のキャリーバックをタクシーのトランクに積みながら、手招きしている。
正確にはトランクに積んでいるのは運転手さんだけどね。

そう。
この私も今、関西にいる。

「あんたが一人で説明すりゃいいだけの話でしょう?」
「え〜。本職じゃないのに〜。」
「今まで何してたの。学生とおしゃべりしているだけが採用じゃないのよ!」
「分かってますよ〜。」
「何回、先輩の説明聞いたの?」
「え・・・・・・5回、くらい?」
「ちがうでしょ、5日間で1日2回の日もあるんだから、計8回くらいでしょ。第一、アンタもこの説明会聞いて入社したんでしょうが。」
「え〜!そこまで遡っちゃいます〜!?」
「・・・・・・あ、あの〜、お客さん、行き先は・・・・・・?」

運転手さんが申し訳なさそうに聞いてきた。
私は文句を言いながらも無意識に乗ってしまったらしく、今、全員車内。
こちらも謝りながら行き先の大学名を告げる。

「今日くらい1人でしのいでよね〜。おかげで昨日本当に大変だったんだから。」

昨日、澤村君と飲んでいる最中に部長からの電話。
澤村君、わざわざ都内から横浜まで出てきてくれたのに。

『ミヤノイちゃ〜ん。今すぐ来て。会社戻ってきて。明日、京都の説明会出て〜。』

切られた。
強烈だった。
言い逃げ?
なんか電話出る時、イヤな予感がしたんだよね。
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