克哉とxxとトリスタンと。
□プロローグ
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「克哉さん、あの人は?」
「ん…あぁ…」
冬も明けきっていない初春の、日本で言えば春休みの時期にあの双子達がお友達を連れて帰ってくるらしい。
僕たちもそれに合わせて克哉さんのドイツのご実家にお邪魔することになった。
そこは今住んでいる所からはだいぶ遠く、列車か飛行機で向かうのかと思ったら、克哉さんの話では今では街の郊外にあって実家までは車で行かなければならず、結局車で行こうと言う話になった。
そう言えばドイツにいるのに旅行にも行った事が無かったので、今度はくるみちゃんと一緒にゆっくりと車の旅が出来る、と思ったらそう言うワケにはいかなかった。
ドイツには様々な街道があり、それらはアウトバーンと言って時速は実質何キロ出しても 構わないと言う恐ろしい道路でもある。
そこを克哉さんと僕が交代しながら、数日間かけて旅行をしつつ走ってきたのだった。