素晴らしき頂き物
□ImmoralAngel
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彼と出逢ったのは、俺が十四の時でした。俺が十四で、虐められていた時でした。
理由は解りません。確か、告白が云々かんぬんって話だった気がします。それで、相手が自分の手首を切ってどうたらこうたらって話です。その後、相手が俺が告白してきてなんたらかんたらって事です。よくある話です。それで俺は、皆に嫌われたんです。
別に、「悲しい」とか「寂しい」とか、感じませんでした。
そもそも、学校に友達と言える仲の人は居ませんでしたから。それに、母やあの家庭教師も、俺にとっては「知り合い」以上の何でも在りませんでした。だから、幾ら嫌われようが傷つけられようが、俺にとっては痛くも痒くも無かったんです。……薄情者?よく言われます。
そんな俺だったんで、特に誤解を解こうとか、皆に復讐しようとか、全く思いませんでした。するだけ無駄ですし、労力使いますし、あの女はあまり好きになれませんでしたし。ああ、風紀委員長が五月蝿かったですね。あと、嵐の人がよく突っ掛かって来ました。逃げましたけど。全速力で逃亡しましたけど。
あーあ、だってさぁ(と、いきなり脱力する)。嵐の人はなんか変な正義感に燃えてるし、風紀委員長は「戦ってほしい」って五月蝿いんですよ(と、いきなり愚痴を溢し始める)。こっちは好きで学校に来てるんじゃねーっつーの(黒化発動)。それなのになんやかんや絡みやがってお前達は兎かっつーの(黒化中)。まぁ、誤解を解かない俺も俺なんですけどね(黒化鎮火)。俺だって人の事言えませんね。
えっと……それで、何処から話し始めましょうか。そもそも最初何を話そうとしたのかも忘れましたよ。俺は何処、此所は誰。うん、じゃあ、解らなくなったから、あの人に逢った初めの時から話しましょう。あの人が話の重要人物ですから。あ、決して伏線ではありませんよ。こら、そこ、笑わない。
じゃあ先ずは、下校時間の時の話から話し始めましょう。
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