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□無色のキャンバス
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「無色のキャンバス」
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どうして、自分を信じてくれなかったのだろう。
「ダメツナ、お前はもう俺の生徒じゃねぇ」
「沢田……てめえ、また10代目を虐めたんだってな!」
「本当、どこまで制裁すれば反省するんだよ」
友達だと思ってた。仲間だと思ってた。
「ツナ君、そんな事をするんだね」
「極限に見損なったぞ……」
信じていたのに。絶対に、自分の事を裏切らない。真実を見てくれる、と。
「……君はいつまで続けるの、こんな事」
「ボス…………」
「……僕達には、関係ない事ですから」
誰も、手を差し伸べてくれる者は無かった。
でも、それから10年たつと、自分に近づく者達さえも、誰も居なくなった。
信じてくれた――否、近づいてくれた者はみんな、自身と同じ、“裏切り者”のレッテルを貼られて、消えて、後に殺されたと聞いた。
現に、両親や、家にいた幼子達も……
そうして
ひとりぼっちになった自分は、残酷な少女に負け、彼女の玩具となり果てた。
「貴方は、これから先ずぅっと、私の快楽とボンゴレの繁栄の為だけにその人生を浪費するのよっ!!」
やがて、少年――沢田綱吉の心は、闇と、絶望と、血と、どす黒い悲痛に染まっていったのだ。