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□ I ‐アイ‐
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「 I ‐アイ‐」
※腐向け……?かなと思ったけどそこまででもない気がします。
※ちょっぴり依存症で女々しくて辛いツナ雲風味
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――並盛の恐怖の風紀委員長。ボンゴレでも最強と謳われる、雲の守護者、雲雀恭弥。
群れる者は誰であろうと咬み殺す。
人を関わる事を嫌うのは、そう自分で豪語するほどだ。
勿論、実力も確かなものであり、圧倒的な力に自ら近寄ろうとする者はほとんど居ないといっても過言ではなかった。
――そして、
彼の過去を完全に知る者も居なかった。
そんな彼はまた今日も風紀違反者を応接室に呼び出し説教という名目の尋問をしているところだった。
「――今日もまた遅刻をしたみたいだね、沢田綱吉。今月で何度目だと思ってるの?」
「す、すいません……。あ、これ反省文です」
その雲雀の前で正座をさせられているのは、彼をはじめとする、ボンゴレの守護者達のボスであるはずの少年、沢田綱吉。通称ツナ。
おずおずと1枚の原稿用紙を手渡しているツナの顔は真っ青だった。
委員長様にこれだけ呼び出しをくらっているのだ。
もはや、度々雲雀の態度が厳しくなっているのか甘くなっているのかや分からない。
雲雀は呆れたように溜息をつく。
「全く、準備だけはいいんだね。――じゃあ、今回だけは特別に1回だけ咬み殺されてくれれば許してあげよう」
――こう言えば、彼は。
「ひぃっ! そ、それだけはご勘弁をーーーっ!!」
試しにトンファーを取り出すと、ツナは震え上がって応接室から駆けて出て行った。
普段こんな時には喝を入れる役であるリボーンもいなことだし、今日はもう勝手には戻って来ないだろう。
「…………はぁ、」
いつもの雲雀だったら、ここですぐさまツナを追いかけて出て行くだろう。そして戦闘を繰り返すのだ。
でも、今日は何故かそんな気分にはなれなかった。
何気なく、夕陽の射す窓を見る。
「…………」
以前の自分なら、このような景色が綺麗なんて、柄にもない事を考えていただろうか。
「本当によく似てるよ……君は、彼に」
声は誰にも聞かれる事はなかった。