★鬼龍院翔★

□海外逃亡生活
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2月。


春は目とはなの先だけど
まだまだ寒い今日この頃。


私は成田空港でとある人物を待つ。



「おーい! 名無しさん〜! 」



少し遠くの方から小走りで
走ってくる赤いパーカーに
タミヤTシャツの男。


顔面はマスクとサングラスだけど
確実バレるよあんた(笑)


そんなことを思いながら
駆け寄ってくる彼を見ていたら
違う意味で恥ずかしさが
込み上げてきて思わず
他人のふりをするわたし。


「おーい!」



もー!やめてよ!バカ!




「はぁはぁ!おはよう!」


「う、うん。」



うわぁぁぁ!
なにてれてんだ私!
今目の前にいるのは…
キリショーなんだけど、
私の彼氏だから照れても
いいんだよねっ?ねっ?



付き合ってからとゆうもの
彼、忙しくて
なかなか遊べなかったし
ある意味初デートだよ?
初デートが海外って!
お泊まりって!
し、翔さんあなたやるわね!
あぁ!なに話したらいいか
わからない!助けて!



「どうしたの?気分悪いの?」


マスクを少しずらして
サングラスを外した
キリショーが私の顔をのぞきこむ。


「びゃあ!!」


思わず後ずさりをしてしまう。
いや、けして変な意味ではない。
どあっぷだし、仔犬のような目で
上目使いって!悩殺だよ!


「ご、ごめん。
俺が遅れたから怒ってる?」


あぁぁぁ!そんな
困ったかおしないで!
そのうちチビる!
心臓爆発する!


「ち、ちがうよ!
は、はじめてのデートだし
き、緊張して、、」



やっと理解したのか
なぜかキリショーの顔まで
赤くなる。



黙りこむふたり。




私とキリショーは
飛行機に乗るまで
一言も言葉を交わさなかった…。
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