イナゴ短編ろぐ。2

□高校生マサ蘭。2つ。
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(あなたの代わりになる人ってそうそういない)














「…狩屋、お前また、彼女かわったの?」


「彼女じゃないですよ。遊び遊び。」


「…そういうの、よくないと思う。」


「じゃあ先輩が相手してくれるんですかー?」


「…何言ってんだよ。あの子達は狩屋が好きで告白したんだろ?俺が相手しても意味ないじゃんか。」





そっちじゃねーよ。

心の中で呟く。






「可哀想だろ。」




先輩の気を引くためにこんなことしてる俺も可哀想だ。


主に頭が。






「だって欲が有り余っちゃってるんですもん。」





それに、

質が伴わないんで、

量で補わなくちゃいけないんですよね。






「…まあ先輩?人の恋路に、ぐちぐち言うのは野暮ってヤツです。」



霧野先輩が、


俺の全てを受け止めてくれるのなら、


こんなことしないのに。





・・・・・・・・・・・・・・・・・


(先輩はモテる。ムカつく。)












「霧野センパーイ。メール来てますよー。」



「だれ?」



「金子、翔太…、男じゃないですか。」


「…ん?あぁ、友達。」


「…友達にぃ、愛してる″とか、普通送りませんよ」


「…勝手に見んなよ。」


「違いますって、件名に愛してる″って。だから不可抗力ですよ。先輩さぁ、性別見境ないの?」


「ちげーよ。ソイツが一方的にさ…、しつこいんだよ。」


「ふーん…どうだか。先輩って、昔っから色んな意味で性別曖昧でしたし。」


「うっさい!!…てか、携帯返せ。」


「先輩が俺の携帯返してくれたらね。」


「お前の言うこと聞くのすっごいヤダ。だから絶対返さない。」


「なんでですか。野郎の携帯見たって、なーんも面白くないですよー?」


「じゃあ返せ。」


「先輩は野郎かどうか微妙なんで。」


「お前の携帯折るぞ。」


「いいですよ。別に。大したもんじゃないし。」


「…彼女とか、友達のメアドは?」


「俺は先輩だけいればいいです。」


「なにソレ」


「分かんない?口説いてんですよ。」


「…タチ悪い冗談は笑えないから。」


「冗談じゃなかったりして。」






あんただけほしい。

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