混沌の旅人

□異端の饗宴
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ランファンさんをヤオさんの元へ送り届けた後、私はセントラルホテル――現在の宿泊先に戻った。

どうやら、エドワードさんたちも戻っていないらしい。

それどころか、ホテルの周りに軍人がいる。…何の騒ぎなんだろう、一体。

ウィンリィさんも、戻っていないんだ…

取り敢えず、自分の部屋に戻って、ベッドに寝転がる。

そんなときに思い浮かぶのは、ランファンさんだった。

それにしても、ランファンさん…大丈夫かな。

とっても辛そうだったし…片腕を失くすのは、出血多量にバランスがとれなくなる…

なにより、ショックが大きい。

ランファンさんのような、誰かに仕えるような立場の人なら…尋常じゃ、ないんだろうな。

特に、彼女は…ヤオさんが全て、という方だし。


それなのに…

……

「あわわわ、な、なんてことを…!」

おかしい!絶対おかしいよ!!

とにかくベッドの上で転がって、ついにはうつ伏せて、ため息を吐いた。

傷心のランファンさんを、更に追いやるようなことを私は…!

あああ、穴があったら入って埋まってしまいたい…!

「どうしよう、失礼なことしちゃった…!」

「ふーん、どんなこと?」

「そ、それは…え?」

…な、なんで返事が?

なんで、声が…上から?

恐る恐る顔を上げれば…

「エンヴィーさっ…!!」

「やっほー、一週間ぶりだねレイン!!」

「せ、正確には五日ぶりです…!」

「四捨五入したら一週間だから、細かいこと気にすんなっての!」

そ、それにしてもこの体勢は…?

なぜか、私の上にエンヴィーさんが馬乗りしていて…え?

「ど、どいてください…」

「いーやーだ。あ、お目覚めのチューいる?それともヤっちゃう?」

「死んでも嫌です…!!!!」

「…相変わらず辛辣だね…じゃーこうだっ♪」

すると、エンヴィーさんがそのまま体重を私に乗せるように、覆いかぶさるように、抱きつ…っ!!?

「ちょ、エンヴィーさん…!!」

「おぉ、レインって柔らかいねぇ!癖になるぅ♪」

そのままギュウギュウと締め付けるように腕に力を入れてくる。…い、痛い…

「エンヴィーさ、やっ、痛っ…」

「…レイン、それ素?かなりエロいよ。
何か、ちょうど真っ最中のような――」
「いやぁぁあああ!!!!!!!」

ヒュオッ
「え?」

ドゴンッ


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