ワンピースブック 長編

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ローズは食堂のイスに座り、足をぶらぶらとさせながら新聞を見ていた。
手配書も数枚ははさまれており、それをちらっと見るとまた新聞に目を落とした。
サンジがその手配書に手を伸ばし、一枚ずつ見ていく。その中に、ローズのものがあった。

『白銀の狼』 8千万ベリー

「・・・結構な懸賞金だな。」
「ん?」

サンジの手の中にあった手配書を取り、見る。懸賞金だけみるとすぐに返した。
正直、目の前でのんびり新聞を読んでいるローズになんでそれだけの額がつくのか
疑問だったが、かなりの腕なのだろうと思い、誰も言わなかった。

「お前自分の懸賞金とかに興味ねぇのか?」
「海軍がつけたんでしょ?興味ないよ。」

パラ、とまた新聞紙をめくる。特に興味をしめすものがなかったのか閉じて部屋から
出て行った。ローズ以外の手配書はすべてゴミ箱に捨てた。


今日も天気は快晴。本当にグランドラインなのか心配になるほど天気はいい。
また隅っこに座ると2本の刀をしっかりと抱きしめる。脳裏に一瞬だけ浮かぶ双子の兄弟。
ひとつ大きくため息を吐くと視界が暗くなった。雨でも降り出すのだろうかと
顔を上げるとゾロが見下ろしていた。

「・・・ゾロさん?」
「なにやってんだよ、お前。」

ローズはだまったまま答えない。ゾロもため息を吐くと横に座ってローズの
刀に触れた。

「これ、だれかの形見か?」
「・・・・・・そういうゾロさんこそ、その白い刀、形見なんだろ?」
「・・・ほう、よくわかったな。」
「使い古されてるし、ゾロさんが買いそうにない形だし。」

ゾロの白い刀に手を伸ばすとくるくるときれいにまわし、柄を握ったりしている。
ゾロもローズの2本の刀を持つと残りの刀を合わせた。

「お前の背丈に合ってねぇし、おかしいとおもってたんだ。」

ゾロにちょうどいいくらいの長さ、重さだった。小さく、小柄なローズには
似合わなかった。そもそも、振り回せるものではない。それにどこか普通の刀とは
違う感じがした。



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