ワンピースブック 長編

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てけてけと小さな足を動かしながら船の中を歩き回るローズ。まだまだ小さいローズにとって
船の中を歩き回ることは冒険に近かった。

「あら、お散歩?」
「えっと、ロビンさん?」

上からいきなり話しかけられたので少し驚いた顔で返事をした。ゆっくりと階段を下りてくる。

「案内してあげましょうか?とはいえ、私もそこまで詳しくないけど・・・」
「大丈夫です。迷子になったら大声で呼びますから。」
「フフ、いい子ね。」

ぽんぽんと頭をたたくと中に入っていった。スタイルがいいなぁと思いながら背中を見送っていた。
階段を上り、あたりをキョロキョロと見渡すと海は荒れておらず、穏やかということしか
わからなかった。ただ、まだローズに対してまだ恐怖やらあるのか、視線は冷たい。
それでも気にすることなく、黙って船の中をあるいていた。

「お?ローズじゃねぇか。なんかたべるか?」

食堂のトビラを開くと中には皿を拭いているサンジが立っていた。
ルフィが食べる量がものすごく多いせいか、比例して洗わなければ行けない皿も多いのだろう。
結構山積みになっていた。横にあったまだ使われていないタオルを手に取ると皿を拭き始めた。

「手伝います。時間かかるでしょう?」
「あ、ああ。ありがとな。」

手馴れているのか、作業がかなり早かった。そういえば、とサンジがポツリとつぶやくと
ローズのほうを向く。

「自己紹介まだだったな。俺はサンジだ。」
「噂では聞いていたのでしっていましたが、よろしくお願いします。」
「お前、海賊狩りなんだろ?俺達はからねぇのかよ。」
「僕は評判の悪い海賊や海軍しか狩りません。麦わらの一味は評判のいいほうです。」

拭き終わった皿を食器棚に入れていく。

「海賊の中でもいい人はいるんですよ。どっかの海軍よりも・・・ずっと。」
「変わったやつだな、お前は。」
「よく言われます。ほかにやることあります?」
「いや、もうねぇよ。ありがとな。」

ぽんぽんと頭を軽くたたくと嬉しそうに笑って出て行った。サンジは小さな背中をずっと
見守っていた。頭のてっぺんを優しくたたかれると嬉しいのだろうか、と少し
考えてしまっていた。




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