ワンピースブック 長編

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今日のグランドラインはいつもよりも荒れておらず、天気は晴れ。なんとも心地よい日だった。
そんなグランドラインを進んでいる船。麦藁帽子をかぶったガイコツが特徴的だった。麦わらの一味である。
海は穏やかなのに、全員の表情は曇っていた。なぜか持っているでんでんむしを中心に円になってすわり、
考え込んでいる様子。全員困った顔をしている。

「・・・オリス団ってなんだよ?」

ルフィは困った顔というか怒っている。ロビンが簡単に説明をする。オリス団はこのあたりに知れた
有名な海賊であった。キャプテンがオリス・マリル・タックという。賞金は4千万ベリー。
コナコナの実の能力者で物理攻撃はすべて効くことがない。部下もかなりの剣術など、体術がすばらしく
高度なものがおおい。オリス団の特徴は簡単にまとめればこうだ。しかし問題は次だ。
オリス団は何個もの島を所有している。そこにいる村の人たちも支配してしまう。男は殺し、
女、子供は海賊船へ連れて行き、雑用の仕事をさせる。子供は幼いころに反逆できないように
しつける。蹴って殴る。そんなことが当たり前になっている。その中で死んでいく人も当たり前だ。
死亡した人は海に捨てる、臓器を売るなど、最後の最後までひどいことをする。
一言でまとめればあまりいいやつではない。
そいつらにナミとウソップが捕まったのだ。返すかわりにルフィを差し出せと、そういわれたのだ。

「・・・ぶったおす!」
「敵が何人いると思ってるの?その間に2人は殺されちゃうわ。」
「えええええ!!!?ナミとウソップは死ぬのか!?」

うーんとうなるメンバーそこでゾロが立ち上がる。首をパキポキと鳴らす。

「じっとしててもはじまらねぇだろ。・・・いくぞ。」

全員コクリとうなずいて、船から下りた。

ルフィたちが降りて、ナミたちが捕まっている島はロスト島とよばれる島だった。
別名失われた島ともいい、木がまったくない。草も、石も、岩もない。ただ、
大きな山があるだけだった。そのふもとに洞窟がある。そこにつかまっているとでんでんむしで
連絡があった。全員はいつもより遅い足取りで中に入っていった。



ある、別の島

「お兄さん、助けて、おかあさん助けて!」

黒いフードに身を隠した少年の足元にしがみつき、髪を2つにくくった少女が懇願している。
頬には殴られた後。白いワンピースの服はぼろぼろに破かれ、その足、手から見える肌には
痣と切り傷があった。少年はしゃがみこんで少女を見る。懐から少し大きめの布をとりだすと少女に巻いた。
そして肩をたたいて微笑んだ。

「どこにいるか、わかるかい?」

凛とした声だった。涙を流していた少女も少し落ち着いてからゆっくりと口を開いた。
そして指をさす。

「あっち、あっちに連れて行かれた・・・」
「・・・ロスト島か。わかった。君は負傷者を助けてあげてくれるかい?」

コクコクと少女はうなずくとそれを確認する少年。黙って立ち上がり、腰にさしてある2本の刀を
整える。そして背中から白いきれいな羽を取り出し、飛び立っていった。


ルフィたちが着く5分前。少年が先に洞窟の前まで来ていた。何のためらいもなく、足を踏み入れた。





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