ワンピースブック

□ありがとう
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麦わら一味の船の上で今日も刀と刀が交じり合う音が響く。いつものことなので
クルーは気にしておらず、それぞれ個人の好きなことを行っていた。

もちろん、ゾロとサタチである。

「疲れた・・・ゾロ、休憩しようよ。」
「はぁ?もう疲れたのかよ。」
「体を休めることも大事なのは知ってるだろう?休む。」

疲れるのは当たり前だ。ゾロも肩で息をしている。朝の6時ぐらいから12時までそのまま
戦っていたのだ。サタチも呼吸は整っているが額からは汗が出ていた。
ゾロのダンベルの上に座り込んで汗を拭く。ゾロも観念したのか、地面に座り込んだ。
それをみるとサタチは微笑んだ。

「ありがとう。」
「・・・・・・は?」

いきなりなにを言うかと思えばお礼の言葉だった。戦ったことだろうか、それとも
休んだことだろうか、ゾロには理解することができなかった。

「女って知られると、みんな手加減するけど、ゾロは違うから。」
「・・・そりゃぁ俺は剣士としてしか見てねぇから。」

サタチが女扱いをされることを嫌っているのはゾロも知っていることだった。
クス、とまた笑うとダンベルから飛び降り、2本の刀を腰にさす。今日は終わりという合図だ。

「そんなゾロのこと、私はすきだよ。」

それだけいうと中に入っていった。ダンダンとゾロの頬が赤くなっていくと最終的には
耳まで赤色に染まってしまった。やっと言葉の意味を理解するとすぐに後をおいかけた。




ありがとう。




「気づくのおそいな。」
「うるせぇ。」





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