Book2 長編

□9人
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ルピの頭を撫でながらずっと話を聞いていた。
サタチは少し困った顔をしていた。

「あ、別にジョーさんに名前を付けられていやっていうわけではないんです。
 ただ、破面が私の父親って事実についていけなくて・・・」

なんとなくそれは理解できる。
今までソウル・ソサエティで生きてきたのだから。

「そもそも、破面に生殖機能はないのでは?」
「あいつは特別でな。
 まぁ・・・体に生命を宿す。
 人間と似たようなもんだ。」

少しサタチが顔を赤らめたが、それでも納得したのか黙ってうなずいた。
エストラーニョは実際は血が繋がった兄ではない。
義兄弟だ。
それでも、分かっていてもサタチは

「ジョーさんはお義兄さんですかね?」
「げ、気持ちわりぃ。」

親しみを込めて、そう言って笑った。

「それで、ジョーさんは父の約束を守ったんですか?」
「傷つけようとはしたがな。」

忘れていたのか、あ、と呟く。
最初は切りかかろうとしていたのだ。
それでも傷はつけられていない。

「・・・ジョーさん。」

ん?と顔をあげる。

「しばらく精神世界に入ります。
 すみませんがルピさんを連れて部屋から出て行ってもらってもよろしいですか?」

黙ってルピを担ぎ上げる。
それと同時に、大きなソファに寝転がった。
寝転がりながらグリムジョーを見上げる。
理由を聞かない彼が嬉しかったのか、笑った。

「エクステラーニョの斬魄刀・・・は『デヘス』だ。
 俺が教えてもいいのかはしらねぇが。」
「いいと思いますよ。」

クスクスと笑う。

「だって、お父さんの斬魄刀ですもの。」
「・・・そうだな。」

少し懐かしそうに見つめて、グリムジョーは部屋をあとにした。








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