Book2 長編

□5人
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1週間たって、現世に立つとサタチだけ学校に行かず、ある場所に歩いて行った。
まずは家だ。
1週間あけっぱなしにしていた割には部屋がきれいだった。
だれかが掃除していてくれたのだろうか。
義骸が今手元にない以上、学校に行くことはでいない。
もしかして、浦原さんが家にもどしてくれたかも
と思い、家に来たが、そんなことはなかった。
なにもない。
今は浦原の家に行く気にもなれない。
だから違う方向に足をむけた。





廃工場のようだ。
いくつも大きく建物がある。
動物が、人が、何もかもがここを避けて通る。
それもそうだ。
結界がはられているようだ。
かなり高度な。
すみずみまではられているというのに、
一箇所だけ、人一人通れそうな穴がある。
そこから中に入る。
数人人間が、いや、なにかがいるようだった。

結界をくぐり抜ければ次に待っているのは倉庫の扉。
その中に足を踏み入れる。
かなり老朽化しているのか、
それとも暴れて壊したのか。
どちらかはわからないが、原型をとどめていないようだった。
1階から3階まで見上げれるように、床が敗れている。
8人ぐらいだ。見下ろしている。
死神が入ってきたのだ。
嫌な気分だろう。

「・・・サタチちゃん。」
「平子さんですね。わかりました。」

彼らには報告しなければと
そう思っていたから

「母の名前です。」

首が痛いが、それでも見上げる。

「羽野春。私の母です。」





全員の霊圧が、揺らいだ気がした。








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