Book2 長編

□2人
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一人で生活して少しなれたこと、ウルルが家に来てくれて制服を持ってきてくれた。
かわいらしい制服なのだがスカートが異様に短い。それになぜか黒いニーソックス。
これが学校規定なものなのか、それともどっかのだれかさんの趣味なのか

「いってきまーす。」

少しだけ早めに出る。転校初日なのだ。挨拶など、細かいことも必要になるだろうし
もしも迷子になったときはめんどくさいからだ。

「あれ、お姉さんも一兄と同じ高校なの?」
「・・・夏梨ちゃんに、遊子ちゃん・・・お兄さんはどこの高校なの?」
「空座第一高等学校だよ。」
「・・・・・・ああ、一緒ですね。」

めんどくさいことになりそうだとしか考えていなかった。むしろなぜ学校に通わないといけないのかがいまいちわかっていない様子だった。

「手続きとかあるもんね。もう行くんだ。」
「ええ。黒崎さんには学校で挨拶しておきますから。」
「うん。じゃぁね。」

手をまたもやひらひらとさせながらサタチは体を回転させ、ぱたぱたと
かけていく。チラッと腕の時計を見たがかなり時間がたっていた。さすがにまずいと
感じたのか猛ダッシュでかけていった。





「遅れてすみません。羽野サタチです。」
「・・・ボサボサだね。」

むーといいながらボサボサになった髪と服を調えている。校長室にはこれから
担任になるであろう、若い先生がいた。ジャージだがきれいな先生だった。

「じゃぁクラスに案内するわ。いいクラスだから安心してね。」
「・・・はい。ありがとうございます。」

くしゃくしゃと髪をなでまわす。少し迷惑そうに顔をしかめたが
すぐにいつもの表情にもどった。気がつけばもう普通に生徒達が登校し、
席についている時間だった。まず先生が元気よく中に入り、なにか生徒に言っている。
特に聞き取れなかったので廊下でぼーっと立っていた。しばらくすると勢いよく扉が開く。

「おいー挨拶しろー」
「あ・・・はい。」

少し前かがみになり、遠慮がちに入る。中を見ると目立つ人物が数名いた。そして、
霊圧が特に高い人が何人もいた。死神の力を持っているものと、あまりはっきりと
感じ取れないが、クインシーもいることに瞬時に判断することができた。
サタチは霊圧を感知することに関しては得意中の得意である。

「羽野サタチです。これからよろしくお願いします。」

小さく頭を下げる。赤い瞳が気になるのか、じっと目を見ていた。少しだけ
気まずい雰囲気になったがサタチは小さく微笑んで、あいている席へと移動する。
一番後ろのほうの席で、前にはオレンジ色の髪の少女がいた。

「井上織姫です。よろしくね。」
「こちらこそ。」

笑顔が似合う、かわいらしい少女だった。






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