幕末志士の恋愛事情

□玖
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血が出ている割には、そこまで傷は深いわけではなく、
医者を呼ぶほどではないとして
龍馬たちで治療することになった。
紫苑は泣いて、心配そうにするので以蔵と武市で外に出て行った。
白李はその姿をため息を吐きながら見つめ、服を脱いでいった。

龍「こりゃぁ・・・」

白李の小さな背中を拭いていく。
その度に、あわらになる違う傷。
きり傷じゃない。
ほとんど、あざだ。
白い肌には似合わない、青いあざ。
白李は平然としながら、胸元の血も拭っていた。

龍「・・・薬ぬるぞ。」
「あ、はい。」

白い髪が邪魔にならないように、ひとつに束ねる。
慎太郎も、白李の龍馬の手伝いをしていた。

龍「誰に襲われた。」
「酔っぱらいです。白い髪が気に入らなかったみたいですよ。」
龍「・・・ほうか。」

塗り終えたら包帯をまいていく。
痛みはあまりないのか、とくに顔を歪めることもしなかった。

借りた予備の着物をもらい、身なりを整える。
もう、血の匂いはしない。
目元をぐしぐしとぬぐい、龍馬たちに頭を下げた。

「すみません、ご迷惑をお掛け致しました。」

歩くことはできるようで、
そのまま、黙って帰っていった。











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